2023.06.16
ハイブリッドクラウドとは?メリットやポイントをわかりやすく解説
インターネットは生活に無くてはならないものとなった現代では、様々な方法でサービスが提供されています。クラウドサービスを導入する方法は主に3パターンに分けられております。
- プライベートクラウド
- パブリッククラウド
- ハイブリッドクラウド
自分の会社だけで使うインターネットの空間(プライベートクラウド)もあれば、誰でも使えるインターネットの空間(パブリッククラウド)もあり、どの方法が適しているかは、自社のやり方や目的によって異なります。
今回主題となるハイブリッドクラウドは、プライベートクラウドとパブリッククラウドの両面を兼ね備えた方法で、使い勝手が良く企業にも順応しやすい方法です。
本記事では、自社に適したサービスの利用方法を選ぶために、各提供方法の違いやメリット、導入の手順を解説します。
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1.ハイブリッドクラウドとは?
ハイブリッドクラウドとは、パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせて運用するクラウド環境のことです。
現代のビジネス界では、この「ハイブリッドクラウド」が大きな注目を集めており、その数は年々増加しています。なぜならビジネスが変化するときに、迅速にその変化に対応するための重要なツールとなっているからです。
ハイブリッドクラウドというのは、インターネット上の「倉庫」です。事業グロースや変化により、多くのリソースやスペースが必要になります。その時に、この「倉庫」は必要に応じて自由に拡張することが可能なのです。
プライベートクラウド・パブリッククラウドとの違い
そもそもプライベートクラウドとは、『自社だけで使うインターネットの空間』のことを指します。自社のデータやシステムを守るために、外部から見ることができないよう専有サーバーで構築されたインターネットです。
一方パブリッククラウドとは、『誰でも使えるインターネットの空間』のことであり、
不特定多数のユーザーが同じサーバーを共用することでセキュリティのリスクがありますが、導入がスムーズに進むメリットもあります。
プライベートクラウドとパブリッククラウドの両面を兼ね備えたインターネットが、ハイブリットクラウドです。ハイブリッドクラウドでは『自分の会社だけで使うインターネットの空間と、誰でも使えるインターネットの空間を一緒に使う』こととなり、自分の会社のデータやシステムを守りながら、用途に応じて最適化できるのが特徴です。
プライベートクラウド | パブリッククラウド | ハイブリッドクラウド | |
セキュリティと自由度 | 高度にカスタマイズできる | 共有環境のため、セキュリティの責任はクラウドプロバイダーに委ねられる | プライベートクラウドのようにセキュリティが担保される |
コスト | 導入コストが高く、維持費もかかる | 初期費用が少なく、使用料金が必要な場合にのみ支払われる | パブリッククラウドの「利用した分だけ支払う」モデルを活用し、コスト効率を向上 |
拡張性 | 需要に応じてリソースを柔軟に拡張できる | カスタマイズの自由度が低い | 企業のニーズに応じてリソースを自由にアップダウンできる |
ハイブリッドクラウドの主要な特性とメリット
ハイブリッドクラウドでは、自社の大切なデータやシステムを、社内だけがアクセスできるインターネットの空間に置くことで、外部から閲覧されたり破壊されたりなどの心配が少なくなります。
そして、ハイブリットクラウドなら自社のやり方や目的に合わせて、インターネットの空間を自由にカスタマイズすることが可能です。例えば機密情報を扱う部署ではプライベートクラウドを利用し、基本的な業務ではパブリッククラウドを利用するなど切り替えることで、費用を抑えた運用が可能になります。
2.ハイブリッドクラウドを導入するための主要な5つのステップ
ハイブリッドクラウドは、現代のビジネスで情報を管理するための効果的な方法です。しかし、その導入は一朝一夕にできるものではありません。各ステップを理解し、適切に行うことで、安全に情報を保管し、管理することが可能になります。
次に、この5つのステップを分かりやすい言葉で説明します。
1.何を達成したいかを考える
まずは、自分たちが何を達成したいのか、何が必要なのかを明らかにします。これは「目標設定」のようなものです。
例えば、「データを安全に保存したい」や「コストをかけずに大量のデータを扱いたい」など、自分たちの目指す目標を立てます。
2.プライベートクラウドを作る
次に、自分たちだけが使えるクラウド(プライベートクラウド)を作ります。このクラウドは、大切な情報を保管するための安全な場所です。
自分たちだけが鍵を持っていて、自分たちだけが入ることができます。
3.パブリッククラウドを選ぶ
そして、世界中の人が使えるようなクラウド(パブリッククラウドと言います)を選びます。
パブリッククラウドは、Amazon Web Services (AWS) や Google Cloud Platform (GCP) など、大手IT企業が提供しているものです。それぞれのサービスは、IaaS(インフラの提供)、PaaS(プラットフォームの提供)、SaaS(ソフトウェアの提供)という3つのカテゴリに分けることができます。
これらのサービスは一般に開放されており、自社のシステムと接続することで、とてもたくさんの情報を入れ、大きな計算をすることが可能です。また、たくさんの人が同時に使うこともできます。
自分たちだけの「クラウド」とみんなで使う「クラウド」を、しっかりとつなげて鍵(VPNや専用回線)をかけることが重要です。
4.どの情報をどこに入れるか決める
次に、どの情報をどこに入れるかを決めます。大切な情報は、自分たちだけのクラウド(プライベートクラウド)に保管しましょう。たくさんの人が見る情報や、大量の情報は、みんなで使うクラウド(パブリッククラウド)に入れます。
また、データのバックアップや暗号化などのセキュリティ対策もこの段階で計画します。
5.継続的に監視し最適化する
これでハイブリッドクラウドの準備は完了です。
最後は、作ったハイブリッドクラウドが上手く動いているかを常にチェックし、必要に応じて改善を続けるのです。
誰が何を見ているのか、情報はちゃんと守られているのかなどを確認します。コストが予算内に収まっているかも確認しましょう。必要に応じて、情報の入れ場所を変えたり、新しい情報を追加したりします。
これらの5つのステップを経て、ハイブリッドクラウドは企業や組織が目標を達成するために情報を安全に保管したり、大量の情報を管理したりすることが可能になります。
3.ハイブリッドクラウドの将来の展望
ハイブリッドクラウドは、自社のサーバーとインターネット上のサービスを組み合わせて使うことで、ビジネスにとって多くのメリットをもたらします。
しかし、ハイブリッドクラウドは、単に2つのクラウドをつなぐだけではありません。 常に進化し、新しい技術やサービスと統合されることで、ビジネスをさらに変革する可能性を秘めています。
ハイブリッドクラウドが今後どのように進化するか、次の3つの観点から見ていきます。
1. 進化するクラウドサービス
インターネット上のサービスを提供する会社は、自社のサービスだけでなく、他の会社のサービスともうまくやりとりできるようにしています。そうすることで、自分たちが必要なサービスを自由に選んで使えるようになります。
例えばマイクロソフトは、自社のサービスであるAzureを使って、他の会社のサービスや自社のサーバーにあるものをまとめて管理できるようにしています。Azureを使えばどこにあるものでも、同じルールや安全な設定を適用したり、Azureの便利な機能やサービスを使ったりできます。
これによって、インターネット上のサービスと自社のサーバーを使うときに、手間やお金や時間がかからなくなります。
2. AIとの統合
ハイブリッドクラウドは、単に2つのものを使うだけではありません。人工知能(AI)や機械学習(ML)などの新しい技術ともつながることで、ビジネスをさらに助けることができます。
AIを使えば、ハイブリッドクラウドを自分で管理する必要がなくなり、ビジネスの問題を解決するのに役立ちます。
例えば、IBMは、自社のAIプラットフォームであるWatsonをどこでも使えるようにしています。 Watsonを使えば、どこにあるデータやアプリケーションでも、WatsonのAI機能やMLモデルを使って分析したり予測したり推薦したりできます。
これによって、ビジネスの課題に対して、AIの力を借りて解決できます。
3. エッジコンピューティングの発展
エッジコンピューティングとは、データが生まれる場所に近いところで、データを処理したりアプリケーションを動かしたりすることです。エッジコンピューティングを使えば、データを早く処理できたり、インターネットにつながらなくてもIoTの機器を制御できたりします。
例えば、アマゾンは、自社のインターネット上のサービスを自社のサーバーに持ってくることができるサービスを提供しています。 このサービスを使えば、インターネット上のサービスと同じように自社のサーバーを使えます。
これによって、自社のサーバーに近いところでデータやアプリケーションを処理でき、遅延や不具合が少なくなるのです。
4.まとめ◆事業体制にあったクラウド環境を構築しましょう
ハイブリッドクラウドとは、自社のサーバーとインターネット上のサービスを組み合わせて使うことです。 ハイブリッドクラウドを使うと、ビジネスにとって次のようなメリットがあります。
- 柔軟性と拡張性が高まる
- セキュリティとコンプライアンスが向上する
- コストとパフォーマンスが最適化される
- 新しい技術やサービスと統合される
しかし、ハイブリッドクラウドを採用するには、次のようなポイントに注意する必要があります。
- ビジネスニーズの評価
- セキュリティとデータの保護
- 運用と管理の負荷
- コストと効率性
これらのポイントを考慮して、ハイブリッドクラウドがビジネスに適しているかどうかを判断しましょう。
ハイブリッドクラウドに関する質問や具体的な実装についての問い合わせは大歓迎です。
ハイブリッドクラウドについてもっと知りたい方や、実際に使ってみたい方は、トントンへお尋ねください。些細なことでも構いません、まずはお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。お待ちしています。
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