2023.08.26
手書き文字をデータ化するOCRサービスとは?メリットや選び方を解説
手入力でパソコンに紙データを打ち込むのは大変ですよね。「コピー機を使って手書き文字をPDFにはできるけど、もっと簡単な方法はないの?」とお悩みの際は、OCRというウェブサービスやアプリが簡単でおすすめです。
手書き文字をデータ化すれば、契約書などを手作業で入力する必要がないため、業務負担の削減につながります。入力作業により残業が発生している場合は、いますぐデータ化すべきです。
本記事では、手書き文字をデータ化するOCRサービスの特徴と、メリットや選び方を解説します。入力業務の時間を削減したいとお考えの企業様は、ぜひ参考にしてください。
1.手書きの文字をデータ化する方法
手書き文字の紙情報をデータ化するために、次の4つの方法を試すことができます。
- 地道な手入力
- 入力代行業者に依頼する
- アプリをダウンロードする
- ウェブサービスを利用する
こちらでは、手書きの文字をデータ化する方法について解説します。
1. 手入力でデータ化する
手書きの文字をデータ化する一般的な方法は、地道にひとつひとつ手入力していく方法です。短い文章の場合はなんなく作業できますが、長い文章の場合は、手入力だと作業効率が悪くて時間がかかってしまい、ミスも起きやすいです。
作業する人のITスキルなどで完成度に差が出てくるので、どの文書をデータ化するかにより作業担当者を考える必要があるでしょう。
2. 代行業者に依頼する
効率的に完成度の高いデータ化を行いたい場合は、データ入力の代行業者に依頼する方法もあります。専門の代行業者が作業してくれるので、希望するフォーマット通りのデータ化が可能です。文書が大量にあれば、作業コストを減らせます。
ただし、代行業者に依頼すると高額になるケースがあります。他に方法がないか比較し、代行業者に依頼することで業務効率を上げられるのか検討して、予算に合わせて選びましょう。
3. アプリケーションを使用する
代行業者に依頼する以外に、スマホのアプリケーションを使用する方法があります。OCRアプリを使ってカメラで手書き文字を撮影すれば、テキストをデータにすることが可能です。
自動的に手書きの文字を読み取ってくれるので、入力作業を削減できます。無料で使用できるアプリもあり、撮影からデータ化までスマホでできるメリットがあります。しかし、文書の状態により手書き文字が読みにくい場合は、正確にデータ化できないケースが多いです。
手入力で文字をデータ化するよりも効率がよいので、OCRアプリの導入を検討してみましょう。
4. ウェブサービスを利用する
近年、オンライン上で文書をスキャンしてデータ化できるサービスが増えています。サービスに登録し、料金を支払ってアカウントを作成することで利用できるようになります。
サービスにアクセスしたらデータ化したい手書き原稿をスキャンによって画像データ化し、サービス上にアップすれば自動的にデータ化が可能です。
2.OCRとは
OCRとは、書類などに記載された文字をスキャンし、データ化した文字情報をパソコン上に自動表示させる仕組みです。AIの技術が進化したことで読み取り精度が向上し、手書きの申込書や表形式の請求書のみならず、チェックボックスや丸囲みなども識別できるようになっています。
資料を手作業で入力するのは効率が悪いため、OCRを導入して作業効率を高めていきましょう。
OCRの仕組み
OCRは、下記の流れで紙の文字をデータ化することが可能です。
- スキャンして画像データに変換する
- 画像レイアウトを解析する
- テキストを処理する
- テキストを出力する
まず、スキャンされた書類は画像データに変換されます。画像のどこに文字が記載されているか解析し、文字を読み取る領域として設定します。手動で設定することも可能です。
画像のレイアウト解析では、テキスト以外に表や図なども混在しています。次は、テキスト部分の処理です。一文字ずつ一定サイズに変換されます。その後、OCRソフト内のさまざまなフォントに合わせられ、データが生まれます。
文字として認識したデータを処理した後は、任意のファイル形式で出力します。対応ソフトにより、出力するファイルが異なりますので注意が必要です。
3.手書き文字をデータ化するおすすめのOCR5選
手書き文字をデータ化するおすすめのOCRは、下記の5つです。
- CLOVA OCR|LINE株式会社
- Tegaki|株式会社コージェントラボ
- AI-OCRらくスルー|関西ビジネスインフォメーション株式会社
- AnyForm OCR|株式会社ハンモック
ひとつずつ見ていきましょう。
CLOVA OCR|LINE株式会社
※引用:CLOVA OCR公式サイト
CLOVA OCRは、AIによる世界最高水準の認識精度であらゆる文書や画像の文字情報を読み取り、素早くデータ化するサービスです。データ入力を効率化し、DX推進や業務のデジタル化に貢献します。
事前にレイアウトを設定し定型書類を読み取るプランから、必要情報を自動解析・認識をしてデータ化するプラン、帳票内にあるすべての文字・表・チェックボックス・丸囲みを識別できるプランなどを展開しています。
プラン | 料金 |
初期費用 | 0円 |
Templateプラン | 55,000円~/月 |
General | 55,000円/月 |
特化型 | 88,000円~/月 |
Tegaki|株式会社コージェントラボ
※引用:Tegaki公式サイト
Tegakiは、ディープラーニングを活用した独自開発のアルゴリズムを活用し、認識率99.2%を誇るOCRです。申込書・アンケート・医療機関での問診などさまざまな書類を素早くデータ化します。ひらがな・カタカナ・漢字・アルファベット・記号などの手書き文字を認識することが可能です。
プラン | 料金 |
初期費用 | 問い合わせ |
月額 | 問い合わせ |
AI-OCRらくスルー|関西ビジネスインフォメーション株式会社
※引用:AI-OCRらくスルー公式サイト
AI-OCRらくスルーは、96%以上の認識精度を誇り、AI機能により高い確率で読み取ることができるOCRです。誤字くせ字、訂正印、はみ出しなども正確に読み取ります。数あるOCRの中でもミニマルな機能で安くサービスを利用できるので、初めてOCRを導入するが、コストの負担を減らしたい企業におすすめです。
プラン | 料金 |
初期費用 | 0円 |
ライトプラン | 3万円/月 |
スタンダードプラン | 9.98万円/月 |
プレミアムプラン | 20万円/月 |
4.手書き文字をデータ化するOCR活用のメリット
業務のデジタル化が進む現在では、紙媒体でのデータ保管はあまりにも非効率です。ただ、手書き文字をデータ化するOCRサービスを利用するメリットは、時間や手間を削減できるだけではありません。
社内のあらゆる業務の効率化につながる、OCRサービス活用のメリットを5つ紹介します。
- データ入力の時間や手間を削減できる
- 生産性の高い作業に集中できる
- データ検索や加工がしやすい
- 社外でも情報共有がしやすい
- 保管コストを削減できる
データ入力の時間や手間を削減できる
手書き文字をデータ化するメリットは、手作業で行っているデータ入力の時間や手間を削減できます。たとえば、請求書などの帳票に記載されている情報をシステムに入力する場合は人の目でミスがないか確認しながら手作業で入力する必要があり、多くの時間がかかります。
OCRはスキャンと同時に文字データを残せるので、データ入力の手間がほとんどありません。OCRを使用すれば、データ入力にかかる時間や手間が大幅に減り、作業にかかる人件費も削減できるようになります。
生産性の高い作業に集中できる
OCRを導入し業務を効率化すれば、これまでデータ入力にかかっていた時間を削減でき、生産性の高い作業に時間を費やせるからです。
データ入力などの単純作業は、企業の生産性向上につながらない一方無くすことはできない業務です。OCRを使用すれば社員にはより生産性の高い業務を任せられる時間が増え、業務効率の改善により働き方改革など別の課題に取り組む余裕も生まれるでしょう。
データ検索や加工がしやすい
書類をデータ化した場合は、パソコンやスマホから気軽に検索ができるので、必要書類を探しやすくなります。たとえば、大量の紙書類の中から必要な情報を探すのは、大変であり時間がかかります。そのため、書類をデータ化して探しやすくするべきです。
また、過去に読み取ったデータを加工して流用すれば、新規文書や資料づくりの作業効率が向上します。必要な情報の検索がしやすくなり、作業効率も高まるので書類をデータ化しましょう。
社外でも情報共有がしやすい
手書き文字をデータ化することにより、社外でも情報を共有しやすくなるメリットがあります。なぜなら、OCRでデータをデジタル化すれば、インターネットを通じて情報共有ができるからです。
たとえば、紙ベースの書類の場合は複数拠点ですぐに共有が難しかったり、複数のメンバーが同時にデータを編集できなかったりします。しかし、データ化された情報の場合はファイルをインターネット上で共有できます。
書類をデータ化しておくと社外でも情報共有がしやすくなり、作業効率を高められるでしょう。
保管コストを削減できる
手書き文字をデータ化するOCRのメリットは、保管コストを削減できることです。企画書などの業務に関わる紙書類を、紙の状態のまま保管している企業も多いです。紙の状態のまま保管する場合は、書類をしまうスペースや管理コストが発生します。
しかし、OCRで書類をデータ化しておけば、キャビネットなどの物理的な保管スペースを大幅に減らせます。また、書類を探す手間や紛失の心配も入りません。
まとめ
本記事では、手書き文字をデータ化するOCR5選とメリット・デメリットを解説します。
手書き文字をデータ化すれば、手作業で行っているデータ入力の時間や手間を削減できるメリットがあります。データ入力などの時間を削減できれば、企業の売上につながるクリエイティブな業務に時間を費やすことが可能です。
手作業で入力する業務に時間を取られている場合は、OCRを導入して業務効率を高めていきましょう。
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