2024.05.21
IT資産管理とは?複雑化するIT環境における5つの課題と対策
デジタル化による働き方の多様化や従業員の増加、事業拡大などで企業が所有するIT資産が増え続けているところも少なくありません。複雑化するIT環境に上手く対応するためには、IT資産の適切な管理が求められます。
IT機器の数の増加やソフトウェアの複雑化によって、資産の管理、ライセンスの管理に手間がかかり、管理・業務の効率が低下する恐れがあるからです。IT資産管理を適切に行うためには、セキュリティやコンプライアンスを強化して、サイバー攻撃の被害に遭わないようにするのも重要です。
本記事では、IT資産管理の基礎知識や複雑化する企業のIT環境における、5つの課題と対策などについて解説していきます。
IT資産管理とは?
企業におけるIT資産は、企業活動を行ううえで必要なIT機器のことです。具体的には下記のようなものを指します。
- パソコン
- スマホ
- タブレット
- サーバー
- 周辺機器
- ソフトウェア
- ライセンス
社会的にデジタル化やDX化が進んでいるため、業務に必要なIT資産を企業は適切に管理していくことが求められます。これをIT資産管理と言います。
IT資産管理を適切に行うと、強固なセキュリティの確保や業務効率化、コスト削減、コンプライアンス向上などに繋がります。
複雑化する企業のIT環境に不可欠
IT資産のハードウェアや周辺機器は消耗品です。企業によっては、導入や廃棄を定期的に繰り返し行うところもあるでしょう。導入や廃棄を繰り返していると、自社のIT環境が複雑化して何をどの程度保有しているのかが把握しにくくなります。
その結果、IT資産の管理が困難になる恐れがあります。IT資産管理ツールを活用すると、効率的にIT資産を管理できるのでおすすめです。
IT資産管理の5つの課題と対策
ここまでで、IT資産管理の基礎知識や複雑化する企業のIT環境に、IT資産管理ツールの導入が効果的なことをお伝えしてきました。セキュリティを強固にして正しくIT資産管理を行うためには、克服するべき5つの課題があります。
次の項目では、IT資産管理の5つの課題と対策をお伝えしていきます。
- クラウド環境下で複雑化する利用状況の把握
- 従業員のITリテラシー問題
- セキュリティやコンプライアンスのリスク
- 余計なコストの発生
- 私的利用や内部不正の懸念
1.クラウド環境下で複雑化する利用状況の把握
クラウド環境では従来のオンプレミス環境よりも利用状況が複雑化します。オンプレミスとクラウドの両方で、システムを運用している企業では複雑さはさらに増すでしょう。
対策
IT資産管理ツールやクラウド管理ツールを導入することで、利用状況を一元的に管理が可能です。例えば、クラウドリソースにプロジェクト名、オーナー名など適切なタグを付けて、利用状況を明確に把握できるようにしましょう。また、クラウドサービスの利用ポリシーを明確にして、従業員に周知するのも効果的です。
2.従業員のITリテラシー問題
ITリテラシーの低い従業員がいるとIT資産の適切な管理が難しくなります。従業員のITリテラシーが低いままなのは良くありません。セキュリティリスクが高まりIT資産が、サイバー攻撃の被害に遭う危険性があるからです。
対策
対策として従業員にITリテラシーを高めるための定期的な研修や、教育を行うことが重要です。あるいは、新卒採用や中途採用でITスキルやITリテラシーが高い人材を雇用するのも良いでしょう。従業員のITリテラシーには個人差があります。従業員全員がITリテラシーを高めることで、組織内の機密情報や個人情報の取り扱いに対するセキュリティ意識の向上に繋がります。
3.セキュリティやコンプライアンスのリスク
IT資産はネットワークを介して利用するものが多いです。そのため、常に様々なセキュリティリスクの脅威に晒されています。また、IT資産管理が適切に行われていないと、セキュリティリスクが高まるだけではありません。自社のコンプライアンスが問われる恐れもあります。
対策
対策としてセキュリティポリシーの策定や遵守、定期的なセキュリティチェック、最新のセキュリティ対策の導入などが重要です。また、従業員のコンプライアンスに関する教育や、ITリテラシーを高めるための教育・研修なども大切です。企業のIT資産・情報資産を、あらゆるセキュリティ脅威から守っていくためには従業員が一丸となって情報漏えいの防止に努める必要があります。
4.余計なコストの発生
IT資産を保有していると余計なコストが発生する可能性があります。例えば、業務に不必要なソフトウェアがダウンロードされたままで、無駄なライセンス費用がかかっているなどです。
対策
IT資産にかかっているコストを把握して、無駄なコストを省くことが重要です。また、ライセンス管理を適切に行うことで、無駄なライセンスコストを削減することも可能です。IT資産が増えれば増えるほど、何をどの程度保有しているのかが把握し辛くなり管理が複雑になってしまいます。使用状況を定期的に見直しながら、不必要なものは処分するようにしましょう。
5.私的利用や内部不正の懸念
IT資産の私的利用や内部不正は、企業にとって大きなリスクとなります。例えば、従業員が競合他社へ自社の機密情報や、顧客の個人情報を持ち出して情報漏えいさせたり、会社のデバイスを私的に利用したり持ち帰ったりなどです。
対策
IT資産に関するルールを作り従業員全員に周知して、定期的にチェックを行うことが大切です。違反行為が発覚したら罰則を与えるなど、厳しい対応を取るのも効果的でしょう。内部不正を防ぐためには、デバイスのアクセス権限の管理も重要です。
具体的には、アクセス権限を許可した従業員だけが必要な情報に、アクセスできるようにすることが大切です。社内の限られた人だけしかアクセス権限を与えないようにすると、不正アクセスや情報漏洩のリスク軽減に繋がります。
まとめ
企業運営に欠かせないIT資産は、業務効率化や生産性を向上させる重要な用途を果たします。継続的な企業活動を行うためには、IT資産の適切な管理・運用が必要です。IT資産管理の5つの課題を克服することで、セキュリティレベルを高めてIT資産管理の成功に繋がりやすくなるでしょう。
IT資産管理ツールを活用すると、IT資産管理が自動化できてさらにビジネスの効率化が図れます。業務のクラウド化により、IT資産の管理方法が複雑化しています。自社で定期的にIT資産管理の方向性を見直し、効率的な運用を目指しましょう。
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