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DX化(ソフト)

2025.04.24

多要素認証はどんな企業でも導入すべき?サイバー攻撃対策のポイント

多要素認証とは、ログイン時やシステムにアクセスする際に、複数の異なる認証要素を組み合わせることで、セキュリティを強化する認証方法です。2つ以上を組み合わせることで、1つの認証情報が漏えいしても、第三者によるデバイスへのログインやシステムへのアクセスを阻止しやすくなります。利用できる認証方法にはいくつかのパターンがありますが、2つ以上を組み合わせることで、不正アクセスのリスクの大幅な低減が可能です。

本記事では、多要素認証を導入する意義や、企業として取り組むべきサイバー攻撃対策のポイントなどについてお伝えしていきます。

あらゆる企業に必要?多要素認証の重要性とは

年々、サイバー攻撃の巧妙化、複雑化に伴い、企業や個人の情報資産を守るためのセキュリティ対策が求められています。その中でも、多要素認証(MFA)はセキュリティ対策の一環として、重要な役割を果たしています。IDとパスワードの組み合わせだけでは、巧妙化・複雑化するサイバー攻撃を防ぐことが難しくなっているため、追加の認証ステップを取り入れる必要性が高まっています。

生産性や業務効率の向上を目指すためには、企業活動においてDX化やデジタル化は、欠かせない取り組みです。すでに、DX化やデジタル化に取り組んでいる企業は、組織の情報資産のセキュリティレベルを高めるために、多要素認証の導入が推奨されます。

今後、DX化やデジタル化の推進は、企業や社会全体で、ますます重要性が高まっていくと考えられます。現在、デジタル化やDX化に取り組んでいない企業でも、経営存続のために将来的には、何らかのデジタル対応が必要になってくる可能性が高いでしょう。

多要素認証の仕組み

多要素認証とは、ログインやアクセス時に複数の異なるタイプの認証手段を併用し、セキュリティを強化する方法です。主に以下の3つのカテゴリに分類される要素のうち、2種類以上を組み合わせて使用します。

  • 記憶に頼る「知識情報」(例:パスワードやPINなど)
  • 所持しているものによる「所持情報」(例:スマートフォンやICカード)
  • 個人に固有の「生体情報」(例:指紋や顔認証など)

多要素認証がどのように機能しているのか、具体的な仕組みをご紹介します。

1.記憶に頼る「知識情報」

知識情報とは、利用者が自身の記憶に頼って入力する認証情報を指します。具体的には、ID・パスワードやPINコードなどです。最も一般的な認証方式ですが、簡単に推測できるパスワードの設定や複数サービスでの使い回しが行われていると、サイバー攻撃の被害に遭うリスクが高まります。こうしたリスクを軽減するため、多要素認証では「知識情報」単体ではなく、他の認証手段と組み合わせる運用が望ましいとされています。

2.所持しているものによる「所持情報」

所持情報とは、ユーザーが実際に持っている物理的またはデジタルなデバイスに関連する情報です。具体的には、ワンタイムパスワード(OTP)を表示するデバイスや、ICカードなどが該当します。銀行ATMでキャッシュカードと暗証番号を使う場面も、この「所持情報」を活用した代表的な認証方法の一つです。

このタイプの認証は、ユーザーが所有している特定のデバイスを通じて行われるため、不正利用者がアクセスするのは簡単ではありません。ただし、デバイスの紛失や盗難といったリスクもあるため、他の認証要素(たとえばパスワード)と組み合わせて使うことで、より高い安全性を確保できます。

3.個人に固有の「生体情報」

生体情報は、ユーザー自身の身体的特徴を利用した認証方法です。具体的な例として、以下のような技術が挙げられます。

  • 顔の形状を使った顔認証
  • 指の模様を読み取る指紋認証
  • 目の虹彩パターンを使う虹彩認証
  • 声の特徴を判別する声紋認証
  • 手の血管パターンを使った静脈認証

生体情報はコピーや盗難が困難であるため、高い安全性を確保できます。生体情報は変更が難しいという特性があるため、情報漏洩時のリスクも考慮して、他の認証手段と組み合わせて使用するのが推奨されます。

サイバー攻撃対策のポイント

ここまでで、多要素認証が企業の情報セキュリティにおいてどれほど重要か、その仕組みとともにご紹介してきました。企業の情報資産をサイバー攻撃から守り、安全性を高めるためには、いくつかのポイントがあります。

次の項目では、多要素認証を導入する際に意識すべき、サイバー攻撃対策のポイントをお伝えしていきます。

定期的なセキュリティチェック

多要素認証を導入する際には、定期的なセキュリティチェックが重要です。多要素認証を導入したとしても、設定や運用が適切でない場合、脆弱性を突かれる可能性があります。導入後も継続的に設定や運用状況を確認することで、セキュリティの脆弱性を最小限に抑えられます。

最新技術へのアップデート対応

多要素認証は進化し続けています。新しい技術や手法を取り入れることで、セキュリティを強化できます。例えば、ekyc(オンライン本人確認)です。ekycは金融業界だけではなく、通信業界でも導入が進んでいます。性質の異なる複数の認証手段を組み合わせることにより、なりすましや不正利用のリスクの大幅な低減につながります。

生体認証など高度な対策

生体認証は、多要素認証の中でも特に高いレベルのセキュリティを実現できる手段です。具体的には、指紋や顔認証など個人固有の特徴を利用する認証方式です。パスワードのように盗まれたり、推測されたりする可能性が極めて低いという利点があります。ただし、生体情報が盗まれた場合には、変更が困難という課題もあるため、慎重な運用が求められます。

多要素認証疲労攻撃への対策

最近では、多要素認証の導入が進む一方で、それを狙った「多要素認証疲労攻撃(MFA疲労攻撃)」と呼ばれる手法も目立つようになっています。攻撃者がユーザーに対して、大量の認証要求を送信し、ユーザーの誤操作を誘発する手法です。

多要素認証疲労攻撃への対策としては、プッシュ通知以外の方法への切り替えや、ログイン試行回数制限などが有効です。デジタル化やDX化を推進している企業は、従業員に対して不審な認証要求には応じないように、セキュリティポリシーの策定と順守や、セキュリティ教育の徹底が求められます。

ゼロトラストとの組み合わせで強化

ゼロトラストセキュリティモデルは、全てのアクセスを信頼せず常に検証するというセキュリティの考え方です。アクセスごとに厳格な本人確認を行います。ゼロトラストセキュリティモデルの実現においても、多要素認証は重要な役割を果たしています。

多要素認証と組み合わせることで、より強固なセキュリティ環境の構築が可能です。例えば、生体認証と物理デバイスを組み合わせた多要素認証は、ゼロトラスト環境下で強力なセキュリティを確保します。多要素認証とゼロトラストとの組み合わせは、外部からの攻撃だけではなく、内部の人間による不正アクセスの抑止にも効果があります。

まとめ

多要素認証は、企業や個人をサイバー攻撃から守るための重要なセキュリティ対策です。IDやパスワード、物理的デバイス、生体情報を組み合わせることで、不正アクセスのリスクを大きく減らすことができます。多要素認証自体にも脆弱性や課題があるため、定期的な見直しや最新技術への対応が求められます。

多要素認証はゼロトラストモデルにも対応しており、クラウドサービスや、リモートアクセス環境でも幅広く利用可能です。ゼロトラストモデルとの併用によって、さらに強固な防御体制の構築が可能です。自社のニーズに最適な認証方式を導入して、セキュリティを強化し、情報資産の安全性を高めましょう。

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