2023.12.14
AI導入の9ステップを解説!初めてでも失敗しないポイントとは
「AI導入を考えているが、どんな順番で進めればいいのだろうか?」
「AIの導入で失敗しない方法を知りたい」
AI導入を成功させるためには、適切な順番で進めていくことが必要です。この記事ではAI導入の進め方と、失敗に終わりやすいパターン、成功させるためのポイントを解説します。
AIを導入する方法とは?失敗しない進め方を解説
AIを導入するまでのプロセスを順番に解説していきます。検討から実際の導入までには、数ヶ月程度はかかると考えたほうが良いでしょう。急いで進めるよりも、一つひとつの過程をきちんとこなしていくことが大切です。
1.自社の課題と目標を明確化する
まずは、自社にどんな課題があるか、何を目標として進めるかを明確にします。管理者や経営者だけで進めずに、現場へのヒアリングも行いながら進めましょう。
例えば、売上データの入力と集計に何時間もかかり、従業員が毎日残業しているという課題があるとします。目標は、「AI導入で売上データの管理を効率化し、担当部署での残業時間を1時間減らす」といった具体的なものにしてください。この段階で目標をはっきりさせておかないと、あとのプロセスでつまずく恐れがあります。
2.AIでできることとできないことを理解する
「AIは何でもできそう」というイメージがあるかもしれませんが、実はAIにも苦手な仕事があります。
現在ビジネスなどに利用されているAIは「特化型AI」と呼ばれています。文字通り、特定の分野に特化したAIです。万能とは言えませんが、特化した機能を活用することで、さまざまな業務の効率化が可能です。反対に、人間の気持ちに配慮する業務、画期的な創造力が必要な業務などは苦手としています。
AIの特徴やどんな仕事なら向いているのかを把握しておきましょう。AIにできることとできないことについては、別記事「AI導入の検討前に知っておきたい!AIで実現できること・できないこと」にて紹介しています。
3.どの課題に対処するのか優先順位を決める
課題が複数ある場合には、どれから取り組むかの優先順位を決めましょう。最初は、小規模な課題から始めることをおすすめします。小規模な課題を解決したあと、だんだんと大きな課題に挑戦していくイメージで進めると失敗しにくくなります。
4.本当にその業務にAIは必要かを検討する
AI以外にも、企業の課題解決に役立つITツールはたくさんあります。本当にAIを利用しなければ解決できない課題なのかを再検討しましょう。
AIによる自動仕訳で会計業務を効率化したいケースを例にします。AIに自動仕訳をさせるためには、まず自社の仕訳ルールを覚えさせなければなりません。さらに、AIの仕訳が間違っていないかのチェックも必要となります。こうした手間をかけてAIを導入するよりも、別のツールで効率化したほうが良い可能性もあります。
AIの導入にこだわりすぎずに、落ち着いて検討してみてください。
5.どこまでをAIにやらせるかを決める
AIに任せる作業と、人間がやる作業との線引きを行いましょう。AIによる作業の結果が常に正しいとは限りません。
「4.本当にその業務にAIは必要かを検討する」で紹介した自動仕訳に限らず、AIが出した結果は、人間がチェックしてから利用する必要があります。誰がいつチェックするのかといった業務の流れも考えましょう。
6.必要な学習データを用意する
AIを業務に役立てるためには、学習データが必要です。導入目的によってはあえて使わないこともありますが、AIに何かを予測させたいときは必要だと考えておきましょう。
例えば、売上予測を行う場合、過去数ヶ月から数年分の売上データが必要です。データを集めたら、AIが学ぶ(機械学習をする)ために形式を整えます。データ形式を整える作業には専門知識が必要なため、AIに詳しい専門業者に相談することをおすすめします。
7.自社に適したAIを検討する
どんなAIツールを、どうやって導入するか具体的に検討します。AIツールの導入方法は、AI搭載の既存ツールを利用する方法と、自社専用のAIを開発する方法の、大きく分けて2つあります。
AI搭載の既存ツールを利用する方法は、すでに用意されているツールの利用契約を結べば使えるため、イメージも湧きやすいかと思います。システム開発会社に自社用AIの開発を依頼する方法は、市販のAIツールにはない機能を使いたいときに、選ぶと良いでしょう。
どちらの方法でも、導入費用やランニングコスト、費用対効果を考えることが大切です。AIは人件費などのコスト削減に役立ちますが、導入後すぐに効果が出るとは限りません。費用対効果については、年単位など中長期的な視点で検討する必要があります。
8.試験運用を行う
導入するAIが決まったら、学習データを学ばせて、業務に使える状態にします。そして、本格導入する前に一部の部署で試験運用を行ってください。ここで問題があれば、調整をしてから、本格導入に進みます。
9.本格的に運用を開始する
いよいよ本格的な運用を開始します。なお、運用開始後にもやるべきことがあります。
AIが問題なく動いているかの確認です。導入から時間が経つと、AIの予測精度が下がってくるなどの変化が起こりうるため、必要となります。1ヶ月に1回程度は、AIの予測結果などに問題がないかチェックしましょう。また、新しいデータを学ばせて、精度を上げることも大切です。
AI導入で失敗しやすいパターンとは
AI導入の失敗につながりやすいパターンと対策を紹介します。
AIを導入することが目的になっている
「AIを何のために導入するのか」が明確になっていないために陥るパターンです。
AIはあくまで手段であり、課題を解決することが目的であることを意識しましょう。
従業員から反対されAI導入が進まない
従業員への説明や、話し合いが不十分であることが原因だと考えられます。従業員は「AIが導入されたら自分たちは仕事を失うのではないか」「AIのせいで、逆に仕事の効率が悪くなるのでは」と不安を持っているかもしれません。
AI導入が必要な理由やメリット、失業の恐れはないことを丁寧に説明して、理解を得ることが必要です。また、現場の従業員の意見も聞きながら、計画を立てる姿勢も忘れないようにしましょう。
社内にAI人材がいないため進まない
AIに詳しい人がいないことで、なかなか計画を立てられないパターンです。
AIに詳しい「AI人材」は、世界中で不足しています。AI人材を新しく採用することは簡単ではないと思ったほうが良いでしょう。今いる従業員にAIの研修を受けさせ、担当者に育てることも一つの手です。
AI導入を成功させるポイント
AI導入でつまずかないために、知っておくべきポイントを紹介します。
AI導入の目的や方法を従業員と共有する
AIを導入する目的をはっきりさせたら、現場の従業員とも共有し、理解を得ておきましょう。
従業員の反対を押し切って無理に導入したとしても、結局は利用されず、導入コストが無駄になる恐れがあります。実際にAIを利用するのは現場の従業員だということを忘れないでください。
費用対効果も考慮する
AI導入には、ある程度の費用がかかります。特に、システム開発会社に自社用AIを作ってもらう場合、数百万円かかることを想定しましょう。
場合によっては、AIによって削減できる費用よりも、AIの導入費用のほうが上回るかもしれません。費用対効果の計算が必要です。
伴走できる専門業者と協力する
社内にAI人材がいない場合には、専門業者のサポートを受けることをおすすめします。専門業者を探す際には、下記の点を考慮して選びましょう。
- AIについて十分な知識があるか
- AI導入の目的を理解して一緒に取り組んでくれるか
- 計画を立てる段階から導入後のフォローまで一貫して行ってくれるか
なお依頼したあとは、業者に任せきりにせず、一緒に進めていくことも大切です。
AI導入の方法で悩んだらプロに相談を
AIを導入する際には、目的を明確化して、順番に進めていくことが大切です。ときには専門業者の力も借りながら、自社の課題解決に取り組みましょう。
株式会社トントンは、AI導入に関するさまざまなお悩みのサポートを行っています。あなたの会社の状況を丁寧にヒアリングし、計画を立てる段階から、本格導入後のアフターフォローまで一貫して対応いたします。
AI導入を考えている場合には、ぜひお気軽にご相談ください。
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