インターネットを利用するうえで、ベストエフォート型のサービスとギャランティ型のサービスの違いを理解することは大切です。これらのサービスは、通信速度の保証や通信品質に違いがあり、ユーザー体験に影響を与えるからです。

コスト面の違いもあります。快適にインターネットを利用するためには、目的やニーズ、利用状況に応じて最適なインターネット回線を選ぶことが必要です。

この記事では、ベストエフォート型サービスの基本的な情報と、ネット回線契約時の5つの注意点をお伝えしていきます。

ベストエフォートとは？

ベストエフォート型サービスとは、インターネット回線サービスにおいて、特定の通信速度や品質が保証されないサービスを指します。このサービスの特徴は、通信速度の下限が設定されていない点です。プロバイダの最大限の努力（ベストエフォート）に基づいてサービスが提供されるため、ベストエフォートと名称が付けられています。

料金が比較的安いため、コストパフォーマンスが優れており、手軽にインターネットを楽しめるようになります。ただし、速度や品質は一定ではなく、使用状況や環境によって変動する可能性があることに留意しておく必要があります。

ギャランティ型との違い

ギャランティ型サービスは、特定の通信速度が保証される方式です。このサービスでは、最低限の速度が確保されるため、ビジネス用途や重要なオンライン活動に最適です。しかし、料金は一般的にベストエフォート型よりも高く設定されることが多いです。そのため、コストが増加する傾向があります。プロバイダは、利用者が常に最低限の速度でインターネットを利用できるように、必要な帯域を確保します。

ベストエフォート型が広く普及している背景

ベストエフォート型は、低価格で利用できるため、主に個人や一般家庭向けに普及しています。また、コストパフォーマンスや利便性を重視する企業も、このタイプのネット回線を選ぶ傾向があります。

例えば、GMOインターネットグループ株式会社が提供する、法人向け通信サービス「GMO BIZアクセス」は、ビジネスに適した高品質なインターネット回線を「1社専有型」として提供しています。

ベストエフォート型及びギャランティ型で、100Mbpsの契約プランにおける料金の比較を、表でまとめてみました。

※価格は税別表記

この表を見てみると、ギャランティ型に対して、ベストエフォート型の方が月額料金を安く抑えられることがわかります。

ベストエフォート型のネット回線契約時の注意点

ここまでで、ベストエフォート型サービスについての基本的な情報や、なぜ多くの人に利用されているのかを説明しました。インターネットを利用するうえで、このサービスが適しているかどうかを判断するために、下記の注意すべきポイントを参考にしてみてください。

1.回線速度が変動する

ベストエフォート型サービスでは、回線速度が大きく変動することがあります。通信速度が保証されていないため、回線が混雑している時間帯や、使用している機器の性能などが、回線速度に影響を与えるからです。夜間や週末など、多くの人がインターネットを使用する時間帯は、速度が低下しやすくなります。

オンライン会議や動画視聴など、高速な接続が必要な場合には、特に不便を感じることがあります。

2.実際の速度測定を行う

ベストエフォート型のサービスでは、特定の通信速度や品質が保証されないため、常に安定した速度や品質を期待できるわけではありません。公式に発表されている最大速度と、実際の速度は異なることがあり、契約時に提示される速度は理論値であることが多いです。そのため、契約前に実際の通信速度の測定が、快適に利用するために重要です。

3.IPoE方式の利用を検討する

IPoE方式はIPv6を利用した接続方法で、PPPoE方式に比べて高速で安定した接続が可能です。IPoE方式はユーザーのデバイスを、プロバイダーのネットワークに直接繋ぐ接続方式です。PPPoE方式で必要とされる、ネットワーク終端装置（ONU）を介さないため、通信の遅延を少なくできます。

ベストエフォート型のサービスでも、IPoE方式を利用することで、より快適なインターネット環境を構築できる可能性があります。IPoE方式を利用するためには、プロバイダーとの契約や、IPv6に対応したルーターやモデムが必要です。

4.通信機器の見直しを行う

使用しているルーターやLANケーブルが古いと、通信速度を低下させる原因になり得ます。ルーターやLANケーブルなどの通信機器は消耗品です。使用しているうちに経年劣化が進むため、パフォーマンスの低下は避けられません。

古い通信機器は経年劣化して寿命を迎えて、急に使えなくなる可能性もあります。通信環境の安定化や回線速度の高速化を図るためには、最新の規格に対応した、通信機器にするのが最適です。通信機器や設定の見直しを行うことで、速度や安定性の向上に繋がります。

5.契約プランの比較やサポート体制の有無

ベストエフォート型のサービスを検討している企業は、インターネットの利用目的やニーズ、利便性などを考慮して、導入するべきか判断すると良いでしょう。例えば、メールやWeb検索が主な利用目的であれば、ベストエフォート型でも十分です。

複数のプロバイダーの契約プランを比較して、最適なものを選ぶようにしましょう。また、万が一のトラブル時に、迅速に対応してくれるサポート体制の有無も、契約前に確認しておくべき重要なポイントです。

まとめ

ベストエフォート型のサービスは、優れたコストパフォーマンスと通信環境の柔軟性を実現します。通信速度や品質を保証しない代わりに、料金が比較的安価で利用者によっては、魅力的な選択肢となり得ます。

このサービスを検討する際には、上記でお伝えしてきたネット回線契約時の注意点を参考にすることが大切です。注意点を踏まえたうえで、インターネットを利用する目的やニーズ、利便性などを考慮して、プロパイダとの契約を進めましょう。