2024.08.15
サイバーハイジーンとは?IT衛生管理の重要性や5つの対策と注意点
サイバーハイジーンを実践すると、強固なセキュリティの確保に繋がります。しかし、防御力は向上しても、完全にサイバー攻撃を防げるとは限りません。日頃からセキュリティ対策を行い、効果的な対策と注意点を取り入れたうえでの実践が、セキュリティリスクを最小限に抑えます。
この記事では、サイバーハイジーンの基礎基本や、重要性と5つの対策と注意点などについて解説していきます。
サイバーハイジーンとは?
社会的にデジタル化が進み今や個人や企業では、インターネットの利用は欠かせません。インターネットの普及により、生活やビジネスの利便性が大きく向上しました。その反面、サイバー攻撃や様々なセキュリティ脅威に晒されているため、セキュリティ対策やサイバーハイジーンにしっかり取り組む必要があります。
サイバーハイジーンとはセキュリティ対策の一環です。企業のIT資産、デバイスの脆弱性をリアルタイムに把握して、IT環境を安全かつ快適に保つための衛生管理を示しています。
サイバーハイジーンの重要性
デジタル化を導入している企業では、管理するデバイスの数が多いです。従業員一人ひとりに専用の端末を与えているところも少なくありません。ネットワークを利用するデバイスの数が多いほど、様々なセキュリティ脅威に晒されるリスクが高くなります。サイバーハイジーンは、企業が行うべき最低限の対策に過ぎませんから、セキュリティ対策と組み合わせて防御力を高めることが重要です。
サイバーハイジーンの5つの対策
サイバーハイジーンの効果を最大限に高めるためには、効果的な対策と日頃からのセキュリティ対策が重要です。次の項目では、サイバーハイジーンの5つの対策をお伝えしていきます。
1.安全なネットワークの利用
安全なネットワークの利用は、サイバーセキュリティの基本です。公共のWi-Fiなどのセキュリティが低いネットワークの使用や、企業HPやWebサイトを暗号化されていない通信の「http://」のままなどはセキュリティリスクが高くなるため危険です。
例えば、カフェや空港でインターネットを利用する場合、VPN(仮想プライベートネットワーク)の使用や、企業HPやWebサイトには通信を暗号化した「httpss://」にするなどのセキュリティ対策を行います。
2.強力なパスワードの設定
サイバー攻撃や第三者からの被害に遭わないように、強力なパスワードを設定したり定期的に変更したりするのも重要です。例えば、推測されやすい「123456」や「password」といった簡単なパスワードではなく、「P@ssw0rd!123」のように複雑なパスワードを設定しましょう。英大文字、英小文字、数字、記号を組み合わせた、複雑なパスワードが理想的です。また、同じパスワードを複数のサービスで、使い回すのも避けた方が良いでしょう。
3.定期的なソフトウェアの更新
PCやスマホなどのデバイスのソフトウェアの更新は、面倒に感じるかもしれません。しかし、サイバーハイジーンに取り組むのであれば重要です。定期的なソフトウェアの更新は、強力なセキュリティ対策の1つとして有効になるからです。例えば、OSやアプリケーションのアップデートを定期的に行い、最新の状態を保つことで、サイバー攻撃のリスクを減らします。
4.セキュリティソフトの導入
信頼できるセキュリティソフトの導入は、コンピューターウイルス感染や、サイバー攻撃を防止するための重要な手段です。例えば、NortonやMcAfeeといった、セキュリティソフトのインストールが効果的です。ファイアウォールをインストールして、定期的にスキャンを行い常にデバイスを監視するのも、セキュリティ対策として重要です。
5.セキュリティパッチの迅速な適用
セキュリティパッチは、ソフトウェアの脆弱性を修正するための重要な更新です。OSやアプリケーションのセキュリティパッチは、公開され次第、迅速な適用が求められます。例えば、月に一度、全てのシステムに対してパッチ適用を行うスケジュールを設定するなど、企業はパッチ管理の計画を立ててサイバー攻撃のリスクを減らしましょう。
サイバーハイジーンの5つの注意点
ここまでで、サイバーハイジーンの基礎基本や5つの対策についてお伝えしてきました。効果的な対策を行ううえで、注意すべきポイントもいくつかあります。次の項目では、サイバーハイジーンの5つの注意点をお伝えしていきます。
1.定期的なバックアップ
万が一に備えて重要なデータや、個人情報をバックアップするのも大切です。定期的なバックアップは、サイバー攻撃やシステム障害からの迅速な復旧を可能にします。例えば、重要なデータを外部ハードディスクやクラウドストレージに、定期的にバックアップしてデータの喪失や漏えいを防ぎます。
バックアップは、異なる場所への複数保存が望ましいです。クラウドサービスと外部ドライブの両方を使用すれば、一方が利用できなくなった場合でもデータを保護できます。
2.企業のIT資産管理の徹底
企業内のすべてのIT資産(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク機器など)を正確に把握し、管理の徹底によりセキュリティリスクを最小限に抑えます。IT資産の把握は、セキュリティ対策の基礎となります。
例えば、使用している端末やソフトウェア、クラウドサービスのセキュリティ状態を常に最新に保つなどです。また、不要なソフトウェアやデバイスを廃棄したり、ライセンス管理を徹底したりなどによりセキュリティの向上が図れます。
3.エンドポイント管理の徹底
エンドポイント管理を徹底することで、デバイスのセキュリティを強化します。エンドポイントとは、従業員が使用するPCやスマホなどの端末を指し、これらのデバイスはセキュリティ攻撃のターゲットとなるため、エンドポイントのセキュリティ強化は欠かせません。
例えば、デバイスに定期的なパッチの適用、ウイルス対策ソフトの更新、不正アクセスを防ぐための監視体制の整備などが必要です。また、許可されていないデバイスやアプリケーションの使用を、防ぐためのセキュリティポリシーの設定も有効です。
4.従業員に定期的なセキュリティ教育・研修の実施
サイバーハイジーンは技術的な対策だけではなく、従業員一人ひとりのセキュリティ意識の向上も求められます。従業員に定期的なセキュリティ教育・研修を実施して、サイバーハイジーンの重要性を理解させて、適切な行動を促すことが重要です。例えば、強固なパスワードの設定の仕方、フィッシング詐欺の見分け方、不審なメールやWebサイトへの対処法について教育・研修を行うなどです。
5.迅速な多層防御の構築
多層防御を迅速に構築できればサイバー攻撃に対する防御力を、何倍にも高められセキュリティリスクを軽減できます。例えば、ファイアウォールや多要素認証、セキュリティソフトを導入して、複数のセキュリティ対策を実施するなどです。従業員一人ひとりが日々の業務の中で実践し、組織全体でサイバーセキュリティを強化することが、今後のデジタル社会を生き抜くための鍵となるでしょう。
まとめ
サイバーハイジーンは、日々の小さな習慣が積み重なって大きなセキュリティの強化に繋がります。そのため、定期的にセキュリティ対策を見直し、防御体制の強化を図ることも重要です。
多層防御の一環として、ゼロトラストセキュリティモデルの導入を検討するのも良いでしょう。サイバーハイジーンの実践は、デジタル世界での安全を確保するための重要なセキュリティ対策です。上記でお伝えしてきた5つの注意点や対策を取り入れ、企業のIT資産を守りましょう。
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