2024.01.25
ビジネスでのデータ活用はどうやる?メリットやデメリットも解説
「これからはビジネスでのデータ活用が大事だと聞いた。具体的には、何をすればいいのだろうか」
「地方の中小企業にデータ活用は必要なのか?」
近年、ビッグデータ活用が話題となっています。しかし、そもそもデータ活用の方法やメリットがよくわからないと感じていませんか。企業の規模にかかわらず、データを見える化し経営に活かさなければ、現在の状況を的確に把握できず、迅速かつ効果的な対策を講じることが難しくなります。データ活用は企業が変化に対応し、持続可能な成長を達成するために重要です。
そこでこの記事では、データ活用に取り組むメリットやデメリット、実際にデータ活用を行う手順を紹介します。
そもそもデータ活用とは
データ活用とは、企業が持つデータやネット上で公開されている情報を分析して、業務効率化・売上アップなどの目的に役立てることです。
例えば、あなたの会社ではこのような経験をしたことはありませんか。
「商品Aは毎月同じ個数を仕入れていたが、4月になって急に販売個数が増えた。数日間売り切れ状態が続き、結局、販売機会を失ってしまった。こんなに売れると分かっていたなら、もっとたくさん仕入れたのに……」
データ活用を行えば、こうした事態を未然に防ぐことが可能です。
具体的には、過去の売上データを分析し、未来の売上予測を行います。過去の売上データから4月は商品Aが多く売れるとわかれば、4月だけは仕入れ個数を増やす対策も取れます。仕入れ個数を増やすかどうか悩む時間も減らせるでしょう。
データ分析との違い
データ分析とは、さまざまなデータを収集・整理して、自社が知りたい情報を手に入れることです。
例えば、部下から先月の販売個数が記載されたエクセル表を受け取ったとします。販売個数の数字だけを眺めていても、どんな商品が人気だったのかはなかなか把握できないのではないでしょうか。そこであなたは、エクセルで販売個数の多い順に並び替えたり、グラフを作ったりするかと思います。こうすれば、先月はどんな商品が人気だったか把握できるでしょう。
一方データ活用は、データ分析の結果をビジネスに生かすことを指します。先月の人気商品の傾向がわかったら、あなたは今後その商品の仕入れを増やすなど、何らかの行動を取るでしょう。人気商品を把握しただけで終わりにすることはないはずです。
このように、売上アップなどの目的を達成するためには、データを分析したあと、活用することが重要となります。
ビッグデータとは
近年ニュースなどで耳にするビッグデータについて紹介します。
総務省の情報通信白書によれば、「ビッグデータは、典型的なデータベースソフトウェアが把握し、蓄積し、運用し、分析できる能力を超えたサイズのデータを指す」とされています。具体的にどれくらいの量があればビッグデータと呼べるのか、明確な基準は定められていません。
情報通信白書では、ビッグデータには主に下記のような特徴があるとされています。
- 数十テラバイト以上の量がある
- センサーから得たデータなどさまざまな種類のデータを含む
- 更新頻度が高い
具体的には、下記のようなデータがビッグデータに該当します。
- SNSに各ユーザーから投稿される文章
- ECサイトでの購入履歴
- 温度センサーが検知した温度
- Webサーバーへのアクセスログ
ビッグデータ活用を行うと、リアルタイムで売れている商品の把握も可能です。いち早く売れ筋商品を知ることで、次の一手も考えやすくなるでしょう。
中小企業でも、工夫次第でビッグデータの分析や活用を始められます。このあと紹介する「データ活用の手順」をもとに取り組んでみてはいかがでしょうか。
データ活用のメリット
データ活用に取り組むことによって企業が得られるメリットを紹介します。
売上アップにつながる
商品の売れ行きや顧客のニーズなどを分析することで、売上アップにつながるヒントを見つけられます。
業務効率化を図れる
あなたの会社では、商品をいつ何個仕入れるのか、ベテランの従業員にしかわからない状態になっていませんか。データ活用に取り組めば、こうした属人化(ある人しか仕事の進め方を把握していない状態)から抜け出すことが可能です。
「ベテラン従業員が休んでいる日には、仕入れ個数を決められない。今日すぐに発注すれば今週中に納品されるのに、ベテラン従業員の出社を待っていたら来週になってしまう」という非効率な状態をなくすことにつながります。
コスト削減につながる
売上予測を生かして仕入れすぎをなくすなど、データ活用はコスト削減にも役立ちます。属人化から脱却することで、特定の従業員に業務が集中することも減り、残業代を減らす効果も期待できるでしょう。
新しいビジネスチャンスを発見できる
データ分析を進めていくと、今まで気づかなかったニーズを発見できるかもしれません。新しいニーズがわかれば、新しい商品やサービスの開発にもつながります。
データ活用のデメリット
データ活用にはデメリットもあることを忘れないようにしましょう。
スキルが必要となる
データを正しく分析するためには、ある程度専門的なスキルが必要です。社内にデータ分析スキルを持つ従業員がいない場合、育成するか、データ分析が得意な専門業者に相談しましょう。
手間や時間がかかる
データ活用には、手間と時間がかかることを理解しておくことも重要です。データ分析を行うためには、「データの加工」が必要となります。販売個数など、すでに手元にあるデータを分析する場合も、すぐには終わらないと考えておきましょう。
プライバシー侵害の恐れがある
データ活用のために使用するデータの中には、個人を特定できるデータが含まれているかもしれません。不正アクセスなどによるデータ流出が起きないよう、セキュリティ対策を取りましょう。
データ活用の手順
実際にデータ活用を行う手順を紹介します。最初の目的の設定が重要となるため、忘れずに行ってください。
目的を決める
データ分析はあくまでも手段です。何のためにデータ分析を行うのか、まず目的を決めましょう。
例えば、「自社のECサイトで1回購入した顧客が、なかなかリピート購入してくれないため対策を行いたい」といった目的を設定します。
何を分析するのか決める
目的を達成するために、どのデータをどんな方法で分析するのかを決めます。
「初めて購入した顧客には、次回使える割引券を送付している。この割引券がどの程度の割合で利用されているのかを分析する」など、やるべきことをより具体化しましょう。
データを集める
分析に必要なデータを集めます。必要なデータが自社にない場合には、新しく集める方法も考えましょう。
今回の例では、過去3ヶ月以内に初めて購入した顧客の数と、割引券を利用した顧客の数をデータとして収集します。
データを加工する
データクレンジングとも呼ばれる工程です。データ分析の精度を落とす部分を加工し、分析しやすい状態にします。
具体的には、重複しているデータの削除や、数字の全角・半角を統一するなどの作業を行います。
データ分析を行う
データ分析スキルを持つスタッフに依頼したり、データ分析ツールを活用したりして分析を実行しましょう。
データを可視化する
分析結果をわかりやすくするために、表やグラフにまとめましょう。データを可視化することで、経営者や周囲の人にも結果を伝えやすくなります。
分析結果をもとに改善プランを作成する
データ分析が終わったら、改善プランを作成します。
新規顧客に送付した割引券の利用割合を分析したところ、ほとんど利用されていないことが判明した場合を考えてみましょう。もしかしたら顧客は、割引券が送られてきていること自体に気づいていないのかもしれません。そこで、送付方法の変更や、割引券の有効期限を知らせるメールを送るといった対策を検討します。
改善プランを実行し効果を検証する
改善プランを実行した結果を検証します。うまく改善されなかった場合には、原因を考えて、次の計画を立てましょう。PDCAサイクルを意識して行動することがポイントです。
データ活用に関するお悩みはプロに相談を
データを効果的に分析・活用できれば、売上アップやコスト削減が可能です。ただし、効果的なデータ活用には、目的の設定や、スキルを持った人材の確保が欠かせません。
株式会社トントンは、データ活用のサポートも行っています。
「データ分析に詳しい従業員がいない」
「目的の決め方がわからない」
「ビッグデータ分析を始めたいが何から手を付ければいいかわからない」
など、どんなお悩みでも、お気軽にご相談ください。
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