2023.07.22
IaaSとは?メリットやデメリット、サービス例をわかりやすく解説!
「IaaSってどんなサービス?」
「IaaSのメリットやデメリットを知りたい」
こんな疑問を抱える企業様も多いのではないでしょうか。IaaSを導入すると、自由な環境構築とインフラ部分の導入・保守にかかるコスト削減が可能です。
本記事では、IaaSのメリットやデメリット、サービス例などについて解説します。IaaSの導入をお考えの企業様は、ぜひ参考にしてください。
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1.IaaSとは?
IaaSは、サーバー・ネットワーク・OS周りなどの必要なインフラ環境をインターネット上で提供するサービスです。主に高い自由度やカスタマイズ性が求められる開発環境で活用されています。
たとえばアプリ開発を行う場合、今までサーバーを自社で購入し、開発環境を構築する必要がありました。IaaSであればサーバーを購入する必要がないため、短時間で開発環境を整えられます。
IaaS には、OSが含まれるものと含まれないものがあり、情報システム部門の目的に合わせて選べます。IaaSの代表的なクラウドサービス例は、下記の通りです。
- AWS
- Microsoft Azure
- Google Cloud (GCP)
AWSはAmazonが提供するクラウドサービスであり、多くのIaaS機能を利用できます。AWSの魅力は、200以上の豊富なサービスが提供されていることです。サービス内容が豊富であれば、ニーズに合わせてさまざまな組み合わせが可能です。
Microsoft Azureは、マイクロソフトが提供するクラウドサービスです。Azureは世界各地の54地域にデータセンターが整備されており、安全性が高く、拡張性・柔軟性に優れているとユーザーから評価されています。Azure Site Recoveryという災害復旧サービスも展開しているため、災害対策は万全です。
Google Cloud (GCP)は、Google が提供する知名度・実績の高いサービスです。Googleが自社内で使用している技術やインフラを利用できます。Googleのインフラなら「高負荷に対する強度」「高い安定性」というメリットがあります。また、AI・データ解析、機械学習のサービスを活用して、ビジネス上のさまざまな課題にアプローチができるのも魅力です。
SaaS・IaaS・PaaSの違いとは?
SaaS・IaaS・PaaSの特徴を表にまとめると、下記のとおりです。
SaaS | IaaS | PaaS | |
目的 | アプリケーションをサービスとして利用する | システムを構築するためのインフラを準備する | システムの開発基盤として利用する |
特徴 | 開発は不要。目的に応じてすぐに使用できる | サービスやアプリを0から開発するため必要な素材・環境をすぐに利用できる | インフラの準備が必要ないため、サービス開発に集中しやすい |
具体例 | Gmail Microsoft 365 Zoom |
Google Compute Engine Microsoft Azure 仮想マシン Amazon Elastic Compute |
CloudGoogle App Microsoft Azure AWS Lambda |
利用に向いている場面 | 自由度は低くても良いので、簡単ですぐに利用できるソフトウェアを導入したい | 専門性を持って、高い自由度の環境を活用したい | 便利なツールを使いながら、ある程度の自由度でソフトウェアを開発したい |
自由度 | 低 | 高 | 中 |
必要な専門性 | 低 | 高 | 中 |
IaaSとSaaSの違いは、クラウド事業者側の管理範囲とカスタマイズの自由度です。IaaSは、クラウド事業者側の管理範囲が小さく、利用者のカスタマイズの自由度が高いです。
一方でSaaS は管理範囲が大きく、利用者のカスタマイズの自由度は低いです。
PaaSは、アプリ開発環境がプラットフォーム化されているのが特徴になります。IaaSよりもカスタマイズ性と自由度は劣りますが、インフラの保守・管理を気にしないでサービス開発に集中できます。
2.IaaSを利用する5つのメリット
IaaSを利用するメリットは、下記の5つです。
- 自由な環境構築ができる
- 自社に物理サーバーを置く必要がない
- BCP対策ができる
- 容量や機能の拡大・縮小を自由にできる
- コストを抑えられる
ひとつずつ見ていきましょう。
1.自由な環境構築ができる
IaaSを導入するメリットは、オンプレミス並みに自由度の高い環境構築を実現できます。システム開発や構築に必要なインフラ、ネットワーク・サーバー・ストレージ機能のみ利用できるIaaSでは、プラットフォームやアプリケーションなどを自由に選択して組み合わせることが可能です。
たとえば「特殊なシステムと連携が必要」「独自性の高いシステムを使用したい」など汎用性の高くないシステムを利用していても、IaaSを選択すればコスト削減などのクラウド化のメリットを享受できる可能性があります。
2.自社に物理サーバーを置く必要がない
IaaSは、自社に物理サーバーを置く必要がありません。IaaSは、物理サーバーを購入する必要がないため、契約すればすぐにインフラが整った環境をインターネット上で利用できます。
自社で物理サーバーを持たなければ、下記のメリットがあります。
- どこにサーバーを置くか考えなくて良い
- 必要な数だけサーバーを追加できる
- 物理面でのセキュリティ対策を考える必要がない
IaaSを導入すれば、今まで悩んでいたサーバーの物理的な問題を考える必要はありません。物理スペースを気にせずに、必要な数だけサーバーを追加できます。
3.BCP対策ができる
IaaSを導入するメリットは、BCP対策ができることです。
IaaSのサーバー本体は、セキュリティレベルの高いデータセンターに設置されています。そのため、地震などの自然災害により自社が被災してしまっても、サーバーは安全性の高い環境に守られているので、業務が止まることはありません。
データセンターにシステム・データがあれば、緊急時でもお客様にサービスを継続して提供できます。さらに、クラウドではバックアップが取れるため、万が一の時に復旧が早くて安心です。
4.容量や機能の拡大・縮小を自由にできる
Iaasは、利用するシーンに合わせた容量や機能の拡大・縮小を容易にできるメリットがあります。なぜなら、契約後でもサーバの CPU ・メモリ・ストレージ容量などを自由に変更できるからです。
たとえば、IaaSの利用開始時にユーザーが少なくスモール構成としたい場合、仮想サーバー1台と最小のCPUやメモリで開始できます。システム稼働が軌道に乗れば利用ユーザーを増やし、メモリを増やすといった対応もできます。
IaaSなら利用状況に応じてサーバー台数を増やしたり、減らしたり柔軟な対応が可能です。
5.コストを抑えられる
IaaSは、コストを抑えることが可能です。なぜなら、IaaSの料金は使用した分だけ支払う従量課金制であるため、必要最小限の利用料金に抑えられるからです。
自社でサーバーを用意すると、機器のメンテナンスや障害対応の費用がかかります。しかしIaaSの場合は、機器のメンテナンスや障害対応などをベンダーに任せられるため、費用が発生しません。
IaaSを導入すれば年間費用が一定であるため、コストを抑えられ、本来力を入れるべきところにお金を使うことができます。
3.IaaS利用時の3つの注意点
IaaSの利用で注意するべき点は、下記の3つです。
- 運用や保守に力を入れる必要がある
- インフラ周りの専門的スキルが求められる
- インターネット障害時に利用できない
ひとつずつ見ていきましょう。
1.運用や保守に力を入れる必要がある
IaaSを導入するデメリットは、インフラ部分のみ提供されるため、PaaSやSaaSよりも運用や保守に力を入れる必要がある点です。
IaaS環境では、ネットワークやサーバー管理、セキュリティ対策などの業務を自社で行う必要があります。そのため、専門的な知識が必要とされ、運用・保守業務に一定の時間がかかります。
一方で、PaaSやSaaSは、サービス事業者側も運用・保守業務に携わるため、自社の負担を軽減することが可能です。
もし、環境構築の自由度を少し減らしてでも、運用・保守業務の労力を軽減したいなら、PaaSやSaaSの導入を検討しましょう。
2.インフラ周りの専門的スキルが求められる
IaaSは、PaaS・SaaSと比較するとインフラ周りの専門的スキルが求められます。インフラ周りのサービスは提供されていますが、導入しただけでシステム利用や開発はできません。
なぜなら、IaaSを導入後はOSなど必要なソフトウェアを導入して開発環境を整え、アプリケーションの開発を自社で行う必要があるからです。そのため、プログラミングやデータベースの知識を持った人材が必要です。
自社に専門知識のある人材がいない場合は、専門的スキルを持った方を採用するべきでしょう。
3.インターネット障害時に利用できない
クラウドサービスは、インターネットを介して利用するサービスであるため、Iaasもオンラインで利用するのが前提です。
IaaSだけでなく、PaaS・SaaSもインターネットに接続できない環境では利用ができません。自社内や提供元でネットワークに障害が発生すると、インターネットに接続ができなくなるデメリットがあります。
4.IaaSの導入で失敗しない4つの方法
IaaSの導入で失敗しない方法は、下記の4つです。
- 安定したサービスなのか確認する
- 長期間継続されているサービスにする
- 長期視点のコストを考える
- 操作性に問題ないか確認する
ひとつずつ見ていきましょう。
1.安定したサービスなのか確認する
IaaSを導入する際には、安定したサービスなのか確認すべきです。
IaaSを提供するサービスが不安定だと、外部の悪意を持った攻撃者からコンピューターのOSやソフトウェアの脆弱性が狙われ、不正アクセスなどの被害が発生する可能性があります。
ソフトウェアの脆弱性が狙われるのを防ぐためには、OSのセキュリティ対策はどのように実施されているのか、データセンターの設置場所や安定的に稼働ができるのかなどを事前にしっかりと確認しておきましょう。
2.長期間継続されているサービスにする
IaaSの導入で失敗しないためには、長期間継続されているサービスなのか確認しましょう。提供会社の障害により、突然サービスが一時的に停止になれば、業務に大きな影響を及ぼします。
障害や一時的な停止に備えて、IaaS を提供するサービスの過去の稼働実績を確認しておきましょう。
3.長期視点のコストを考える
IaaSを導入する場合は、長期視点のコストで考えるべきです。
たとえば、コストをおさえたいと考えてIaaS を導入したときは、利用金額以外にデータベースやアプリケーションの導入費や自社のシステム管理コストなどが必要です。
IaaS はサービス稼働が安定すれば運用管理費も削減でき、長く使用するとコスト効果が現れます。長期視点で考えて、IaaSの導入を検討してみましょう。
4.操作性に問題ないか確認する
IaaS は、自社のシステム管理者が運用・管理をします。システム管理者は、操作性に問題ないか、長く使い続けられるか確認する必要があります。
たとえば、必要な機能が搭載されているか、コンソール画面が使用しやすいかなど一つ一つの操作・機能を見ていくべきです。
IaaS サービスの無料トライアルを利用して、システム管理者が実際に操作をしながら確認すると良いでしょう。
5.まとめ◆ITサービスの違いを理解しよう
本記事では、IaaSのメリットやデメリット、サービス例について解説しました。
IaaSを導入すると、自由度の高い環境構築を実現できることや利用するシーンに合わせた容量や機能の拡大・縮小を自由にできるメリットがあります。
また、従量課金制であるため必要最小限の利用料金に抑えられ、中小企業に向いているサービスです。
ただし、インフラ周りの専門的な知識が必要とされ、運用・保守業務に一定の時間がかかります。
メリット・デメリットを考慮したうえで、IaaSの導入を行い、効率的なビジネスを進めていきましょう。
社内データの管理方法に不安はありませんか?
もしも今現在、
- 非常時に備えた社内データの管理ができていない
- オンライン、IT、ペーパレスなどよくわからない
- デジタル化の波に遅れないよう、社内の体制・仕事のやり方を見直したい
上記のようなお困りごとがありましたら、トントンへご相談ください。
株式会社トントンでは、OA事務機器の事、ファイル管理やネットワーク構築、ネットワークセキュリティ、ペーパレス化の検討など、オフィスにまつわる環境整備やデジタル化をサポート。現在の課題をヒアリングしたうえで、貴社の予算や要望に合わせた最適なプランニングを行います。
「こんなことも相談できるのかな?」といった些細なお困りごとでも構いません。まずはお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
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