2024.10.31
LGWAN環境とは?その仕組みや導入目的、特徴を解説
LGWAN環境では、全国の自治体同士で安全に情報を交換したり、IT格差を無くしたりすることが期待されています。行政専用のネットワークのため、私たちが普段使っているインターネット経由ではアクセスできません。
一般向けに提供されてはいませんが、マイナンバーや社会保障などに関しての情報交換・共有にも使われています。一般の私達が直接的にアクセスする機会はありませんが、やり取りが行われている情報は無関係ではないため、理解を深めておくのも大切です。
この記事では、LGWAN環境の基礎知識や導入目的、パブリックネットワークとの関係性などについて解説していきます。
LGWAN環境とは?
LGWANは「Local Government Wide Area Network(総合行政ネットワーク)」の略称で、2001年に運用が始まりました。このネットワークは、地方公共団体間や政府の共通ネットワークとの接続が可能な行政専用のシステムです。全国の地方自治体や政府機関との、情報共有とコミュニケーションを、促進するために設計されています。
インターネットとは別に構築された、閉域ネットワークであり、高度なセキュリティを確保してるため、安心して情報交換が行えます。2003年から運用が本格化しており、2014年からはJ-LIS(地方公共団体システム機構)がその運営を行っています。LGWAN環境では、全国の自治体や政府機関とのメールの送受信、マイナンバーを使用した税情報や、社会保障の給付状態などの情報連携が可能です。
導入の目的
LGWANの導入の主な目的は、全国の自治体間で情報を迅速かつ安全に共有することです。これにより、住民サービスの向上、災害時の迅速な対応が期待できます。行政手続きの効率化や、コスト削減も大きな目的の一つです。
地方公共団体や政府共通ネットワークとの相互接続を通じて、活発化した情報交換と共有を実現しています。現在では全国の地方自治体に導入が進んでおり、大規模なネットワークシステムが構築されています。
特徴
閉域ネットワークを利用しているため、インターネットを経由せずに通信が行われます。このネットワークは全国の地方自治体がスムーズに接続できるように設計されており、完全に行政内部に閉じた性質を持っています。閉域ネットワークの利用でセキュリティが強化され、情報漏えいや不正アクセスのリスクが低く、自治体間で安全に情報を共有することができます。
最新のテクノロジーを活用しているため、セキュリティがとても強力なのが特徴です。例えば、セキュリティ対策として、ファイアウォールや暗号化通信、侵入検知システム(IDS)などが実施されており、厳重なセキュリティを実現しています。LGWANは、災害時の情報共有やJ-アラートなど、公共の安全に関わる情報の伝達にも利用されています。
基本的には地方公共団体等のみの導入
基本的には、一般企業による直接的な導入は想定されていません。主に地方自治体や、行政機関向けに設計されているからです。LGWANの導入は地方自治体や特定の行政サービスを提供する事務組合などに限られています。しかし、地方公共団体と協力関係にある企業や団体が、特定の条件下で関連するサービスを、利用することは可能です。
「地方公共団体情報システム機構」のWebサイトでは、一般向けにLGWANに関する情報や全国センターからのお知らせを紹介しています。LGWANの情報収集に役立つかもしれませんので、最新情報が気になる場合は、参照してみてはいかがでしょうか。
LGWAN-ASPへの参加は可能
LGWANの導入は、現在のところ一般企業はできませんが、LGWAN-ASPサービス(アプリケーションサービスプロバイダー)としての参加は可能です。このサービスは、全国の自治体に対して様々な行政事務サービスを提供するシステムやアプリケーションを指します。
LGWAN-ASPサービスは、4つのカテゴリに分けられています。
- ファシリティサービス
- 通信サービス
- アプリケーション及びコンテンツサービス
- ホスティングサービス
一般企業は、参加することで自治体のIT化を支援したり、行政サービスのデジタル化に貢献したりなどが可能です。一般企業が利用するためには、特定の条件を満たす必要があります。そのうえで、総合行政ネットワーク運営主体への参加資格審査を申請し、受理される必要があります。
まとめ
LGWANは、地方自治体や政府機関との情報共有とコミュニケーションを促進するために導入されており、閉域ネットワークでの運用を行っています。
- LGWAN接続ルーター
- 都道府県ノード
- LGWAN網
- 東日本・西日本セキュリティゲートウェイ(セキュリティGW)
- LGWAN-SOC
上記の多様な機器とシステムが連携して、閉域ネットワークを支えています。
厳重なセキュリティ対策が実施されており、安全に情報のやり取りが可能です。セキュリティのスペシャリストによる、24時間365日の監視を行う、セキュリティオペレーションセンター(SOC)も設置されています。不測の事態が起きても、迅速な対応が行えるように備えており、非常にセキュリティレベルが高いです。
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