株式会社 トントン

緊急24時間対応

080-3603-2229

受付時間 9:00~17:00(平日)

052-482-1470

24時間受付中問い合わせ・資料請求

TOP > オフィスラボ > オンプレミスとクラウドの違いとは?それぞれのメリットや向き不向きを解説

DX化(ソフト)

2024.02.26

オンプレミスとクラウドの違いとは?それぞれのメリットや向き不向きを解説

オンプレミス クラウド 違い

現代のビジネス環境において、情報技術のインフラは組織の成功に不可欠な要素となっています。特に、オンプレミスとクラウドの選択は、企業が直面する重要な決定の一つです。

この記事では、オンプレミスとクラウドの基本的な概念から始め、それぞれのメリットとデメリット、コストや導入期間、カスタマイズ性などの具体的な比較ポイントを詳しく解説します。

組織にとって最適な選択を行うためにも、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

オンプレミスとは

オンプレミス(On-Premises)とは、企業が自身の物理的な施設内に情報技術(IT)インフラストラクチャーを設置し、自ら運用・管理する方式を指します。これには、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器など、組織が直接所有するハードウェアや、それらを稼働させるためのソフトウェアが含まれます。

オンプレミスの最大の特徴は、セキュリティとカスタマイズの自由度の高さです。企業は自社のセキュリティ要件に合わせてシステムを細かく調整でき、特定の業務プロセスや運用ニーズに合わせたカスタマイズができます。また、データが社内のサーバーに保存されるため、外部のクラウドサービスプロバイダーを介さずにデータの管理と保護を行うことができます。

しかし、オンプレミス環境の運用には、高額な初期投資が必要であり、ハードウェアの購入、メンテナンス、アップグレード、専門スタッフの雇用など、継続的なコストの発生が避けられません。

クラウドとは

クラウドとは、インターネットを介して提供されるコンピューティングリソースのことです。クラウドサービスを利用することで、企業や個人は物理的なハードウェアを自ら購入し、管理する必要がなくなります。

クラウドコンピューティングは柔軟性が高く、利用者は必要に応じてリソースをスケールアップまたはダウンでき、支払いも実際に使用した分だけという点が特徴です。

クラウドサービスには、主に公開クラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドの三種類があります。公開クラウドは、インターネットを通じて一般に提供されるサービスで、コスト効率が高いことが特徴です。プライベートクラウドは、特定の組織の内部または専用のインフラで運用され、より高いセキュリティとカスタマイズが可能です。そしてハイブリッドクラウドは、公開クラウドとプライベートクラウドの両方の利点を組み合わせたモデルで、柔軟性とセキュリティを両立させます。

これらの特徴により、スタートアップ企業から大企業まで、多くの組織がクラウドサービスを活用しています。最近はクラウドでのシステム利用が主流となっています。

オンプレミスとクラウドの違い

オンプレミスとクラウドの違いは、主にデータの保管場所、管理の責任、コスト構造、スケーラビリティ、およびカスタマイズの柔軟性などです。以下に、表形式でそれぞれの違いをまとめました。

オンプレミス クラウド
データの保管場所 自身の施設内に物理的なサーバーとインフラを設置し、直接管理 インフラはクラウドプロバイダーによって遠隔地でホストされ、インターネットを介してアクセスされる
管理の責任 企業がすべての維持管理作業を担い、セキュリティ更新やハードウェアの故障対応も自ら行う必要がある プロバイダーがインフラの維持管理を行い、企業はサービスを利用するだけで済む
コスト構造 初期投資が高く、物理的なインフラの購入と維持に費用がかかる 初期費用が少なく、使用した分だけの支払いとなるため、スタートアップコストを抑えられるが、長期的な使用では費用が増加する可能性がある
スケーラビリティ クラウドサービスは需要の変動に応じてリソースを柔軟に調整できるため、ビジネスの成長や季節的な需要の変動に迅速に対応できる 新たなハードウェアの追加やアップグレードが必要となり、スケーリングに時間とコストがかかる
カスタマイズの柔軟性 企業のニーズに合わせて環境を高度にカスタマイズできる プロバイダーが提供するオプションとツールに依存するが、一般的には幅広いニーズに対応するための十分な柔軟性がある

これらの違いから、オンプレミスとクラウドはそれぞれ異なるビジネスニーズや目的に適しています。

一般的に、セキュリティ、コントロール、カスタマイズが重要な企業はオンプレミスを、コスト効率、スケーラビリティ、維持管理の簡素化を求める企業はクラウドを選択する傾向があります。

オンプレミスとクラウドのそれぞれのメリット・デメリット

オンプレミスとクラウドは、現代のビジネスにおけるITインフラストラクチャの二大主流です。これらのモデルはそれぞれ独自のメリットとデメリットを持ち、企業が直面する特定の課題や目標に応じて適切な選択が求められます。

ここでは、それぞれのメリット・デメリットを包括的に検討します。

コスト面

オンプレミスのコスト面でのメリットは、長期的に見ると固定資産としての投資が安定し、追加の使用料金が発生しない点です。一方、デメリットとしては、初期投資が高額であり、維持・運用にも専門スタッフが必要なため、総コストが増大する可能性があります。

クラウドのメリットは、初期投資が少なく、使用したリソースに応じた従量課金制であるため、スタートアップや小規模プロジェクトに適しています。しかし、デメリットとしては長期的な利用やリソースの大量消費により、予想外の高コストになる可能性がある点です。

導入期間

導入期間に関しては、オンプレミスは物理的なインフラの購入、設置、設定に時間がかかるため、プロジェクトのスタートまでに長い期間を要します。これは特に、カスタマイズや特定の要件を満たす必要がある場合に顕著です。

一方で、クラウドサービスはインフラがすでにプロバイダーによって設置・運用されているため、アカウントを作成し、必要なサービスを選択するだけで迅速に導入が可能です。これにより、プロジェクトの立ち上げが速く、ビジネスの機敏性が向上します。しかし、クラウド環境においても、特定の設定やセキュリティポリシーの適用には時間がかかる場合があります。

カスタマイズ性

オンプレミス環境では、企業が完全な制御権を持ち、ハードウェアやソフトウェアの細かいカスタマイズが可能です。これは、特定の業務要件やセキュリティポリシーに合わせる必要がある場合に大きなメリットとなります。しかし、この高度なカスタマイズ性は、適切なスキルセットを持った専門家を雇用し、維持することが必要です。

クラウドサービスでは、プロバイダーが提供する設定オプションとツールを使用してカスタマイズが行われ、迅速なデプロイメントと柔軟なスケーリングが可能になりますが、オンプレミスほどの細かいカスタマイズは制限される場合があります。これは、特に標準化されたプロセスやアプリケーションを使用する企業にとってはデメリットになり得ます。

調達スピード

オンプレミス環境では、ハードウェアの選定、購入、配送、設置までに時間がかかり、特に新しいプロジェクトや拡張において調達プロセスがボトルネックとなることがあります。この遅延は、市場機会を逃す原因にもなり得ます。

一方、調達スピードの面では、クラウドサービスが明確な利点を持ちます。クラウドでは、サービスの選択と設定をオンラインで迅速に行うことができ、実質的に即時にリソースを利用開始できます。これによりビジネスの機動性を高め、市場への迅速な対応が可能です。

障害対応

オンプレミス環境では、障害発生時の対応が企業の内部リソースに依存するため、迅速な復旧が必要な場合、十分なITスタッフや事前の災害復旧計画が求められます。これは緊急時における対応の遅れや、リソース不足によるリスクを高める可能性があります。

一方、クラウドサービスはプロバイダーが障害発生時の対応を担い、複数地域にわたるデータセンターを利用して高い可用性を提供するため、システムのダウンタイムを最小限に抑えられる点がメリットです。しかし、クラウドプロバイダー側の障害が全ての顧客に影響を及ぼす可能性があり、プロバイダー選択やサービスレベル契約(SLA)の重要性が高まります。

パフォーマンス

オンプレミス環境のパフォーマンスは、導入されたハードウェアに直接依存し、企業がリソースをフルコントロールできるため、高度なパフォーマンス要件を満たすことが可能です。しかし、最新の技術への更新や拡張が必要な場合、追加の投資と時間が必要となります。

クラウド環境では、リソースを迅速にスケールアップ・ダウンできる柔軟性により、需要の変動に応じたパフォーマンスの最適化が可能ですが、インターネット経由でのアクセスが必要なため、ネットワークの遅延や帯域幅の制限がパフォーマンスに影響を与えることがあります。

セキュリティ

オンプレミス環境では、企業が物理的なアクセスとデータのセキュリティを完全にコントロールできるため、高いセキュリティレベルを実現することが可能です。しかし、これには専門的なセキュリティ知識を持つスタッフの確保と、継続的なセキュリティ対策の更新が必要です。

クラウド環境では、プロバイダーが最新のセキュリティ対策を提供し、データの暗号化やアクセス管理などを行うため、小規模な企業でも高度なセキュリティを比較的容易に実現できます。しかし、クラウドプロバイダーへの依存度が高まるため、共有環境におけるデータ保護の課題などが生じる可能性があります。

オンプレミスとクラウドどちらを選ぶべき?

企業が自身のITインフラストラクチャの選択を行う際、オンプレミスとクラウドのどちらを採用するかは、その組織のニーズ、リソース、および将来のビジョンに大きく依存します。適切な選択を行うためには、各オプションのメリットとデメリットを理解し、自組織の特定の要件と目標に照らし合わせて検討する必要があります。

オンプレミスを選ぶべき場合

高度な技術スキルを持つITスタッフが在籍しており、維持・運用コストに関する懸念が少ない企業にとって、オンプレミスはそのポテンシャルを最大限に引き出せる環境を提供します。

オンプレミス環境は主に企業が完全な制御とカスタマイズ性を必要とする場合に適しています。特に、特定の規制に従う必要がある業界での運用や、企業独自のセキュリティポリシーを厳格に適用したい場合に有効です。また、内部での完全なデータ保持を求める企業や、既存の物理的なインフラを最大限に活用したい場合も、オンプレミスが適切な選択となります。

クラウドを選ぶべき場合

クラウドサービスは、柔軟性、スケーラビリティ、コスト効率を重視する企業に最適です。

特に、リソースの迅速なスケーリングが必要なスタートアップや、季節的なトラフィックの変動が激しいビジネスにとって大きなメリットがあります。初期投資を最小限に抑えたい場合や、ITインフラの維持・管理に専門スタッフを多く確保できない中小企業にも、クラウドは効果的な選択肢となります。また、新しい技術への迅速なアクセスや、世界中のリソースを活用したい場合にも、クラウドサービスが適切な選択と言えるでしょう。

まとめ

オンプレミスとクラウド、それぞれには独自のメリットとデメリットが存在し、どちらが優れていると一概には言えません。重要なのは、組織の特定のニーズ、目標、リソースに基づいて最適な選択をすることです。

コスト、導入期間、カスタマイズ性、調達スピード、障害対応、パフォーマンス、セキュリティなど、様々な要素を総合的に考慮し、最良のITインフラストラクチャ戦略を策定しましょう。

記事一覧へ