2024.08.29
Saseとは?ゼロトラストとの違いや重要性を簡単にわかりやすく解説
企業の重要な機密データや個人情報を、サイバー攻撃から守るためには、強固なセキュリティ対策が重要です。働き方の多様化により社内だけではなく、社外からデバイスを利用してインターネットを利用したり、日常業務を行ったりするところも増えてきました。社内外の重要なデータを保護するために、SASEの導入が非常に重要な役割を果たします。
セキュリティの強化に繋げるためには、企業の目的や要件に合ったSASEの選定と導入が必要です。Saseとゼロトラストの考え方・概念が似ていると言えるので、導入段階で混同されがちですが違いがあります。
本記事では、SASEとゼロトラストの基本的な概念やそれぞれの違いについて簡単にわかりやすく解説していきます。
Saseとは?
Saseは「Secure Access Service Edge」の略語で、セキュリティとネットワーク機能を統合して提供するフレームワークです。Saseはゼロトラストを含んだ、セキュリティ対策の考え方に加え、ユーザーの利便性や効率的な運用の効果を最大限に高めるための概念と言えます。
また、ゼロトラストを用いたセキュリティ対策を進める上で、SASEは非常に重要な役割を果たします。SASEの導入は、ゼロトラストを実現するための効果的な手段の一つです。
現在では、多くの企業がデジタル化に取り組んでいます。しかし、今までのような境界防御型セキュリティでは、リモートワークやテレワークに対するセキュリティリスクの軽減・管理が難しくなります。リモートワークやテレワークにおけるセキュリティの、課題を解決する鍵となるのがSaseの適切な導入です。
ゼロトラストとは?
ゼロトラストは、場所や端末を問わない、社内外の区分がなく全ての通信を信頼しない方針でセキュリティを確保することを意味します。Saseは具体的な技術やソリューションを含みますが、ゼロトラストはあくまで概念・考え方を指します。
そのため、ゼロトラストが、セキュリティ対策の1つの施策というわけではありません。ゼロトラストは、セキュリティ環境における考え方・概念です。ゼロトラストとSaseは、どちらもセキュリティを強固にする具体的な施策ではありませんが、デジタル化に対応する企業のセキュリティリスクを減らし、業務効率化に重要な役割を果たします。
Saseとゼロトラストとの違い
ここまでで、Saseとゼロトラストの基礎基本についてお伝えしてきました。具体的には、それぞれどのような違いがあるのか、疑問に思うのではないでしょうか。
次の項目では、Saseとゼロトラストとの違いを解説していきます。
適用範囲の違い
Saseは、ネットワークとセキュリティ機能をクラウド上で統合し、どこからでも安全なアクセスを可能にする技術です。リモートワークやクラウドサービスの普及が進む現代において、企業はこの技術を活用することで、強固なセキュリティの確立とネットワークの運用コスト削減を実現できます。
ゼロトラストは、場所やデバイスに依存せず、社内外のすべてのアクセスを信頼せずに検証するセキュリティの概念です。特定のネットワークやクラウドサービスに限らず、あらゆるアクセスに適用されます。内部からの脅威にも対応できる、セキュリティモデルを提供します。
基本的な概念の違い
ゼロトラストは、「何も信頼しない」というセキュリティ理念に基づいています。全てのネットワークトラフィックを検証して、許可された通信のみを許可するモデルで概念や考え方に近いものです。
社内外の区分がなく、全ての通信を信頼しない方針でセキュリティ対策を行うことを意味します。SASEは、このゼロトラストの理念を具体的に実現するためのソリューションです。セキュリティとネットワークの機能を統合して提供するフレームワークを指します。
メリットの違い
Saseのメリットは、ゼロトラストの理念を具体的に実現することに加え、セキュリティ対策の強化や運用コストの削減が含まれます。SASEを導入することで、社内外問わず安全な通信が確保され、管理が一元化されるため、効率的な運用が可能です。ゼロトラストは、場所やデバイスを問わずに業務ができたり、シンプルなセキュリティの設定を行ったり、従来より高いセキュリティ対策の実現に繋がります。
デメリットの違い
Saseのデメリットは、導入に初期投資が必要なことや、一元化されたシステムが障害となるリスクがあることです。ゼロトラストのデメリットは、ゼロトラスト環境を実現させるための製品を導入する場合に考えられます。ログインに手間がかかるようになって、従業員にとっては煩わしさが増える可能性があるでしょう。導入するまでに時間や人手がかかりますし、製品の利用に費用も発生します。
まとめ
インターネットの普及に伴い、サイバー攻撃の内容や方法が巧妙かつ複雑化しています。企業の機密データや個人情報を守るためには、強固なセキュリティ対策は欠かせません。サイバー攻撃は常に新しい脅威が出現しているため、対応するために新しい技術や理念が求められます。
Saseとゼロトラストは、このような脅威に対処するための重要な戦略です。お伝えしてきたSaseとゼロトラストの違いを理解して、適切に利用することが、セキュリティを確保するうえで不可欠です。
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