2024.12.29
トラッキングとは?Cookieとの関係性やセキュリティリスクと対策
トラッキング技術は、Webサイトやアプリケーションでユーザーの行動を追跡、記録し分析するために広く利用されています。利便性の向上や広告の最適化に役立つ反面、悪意のある第三者やサイバー攻撃で悪用される危険性があります。
この記事では、トラッキングの基礎知識やCookieとの関係性、起こり得るセキュリティリスクと対策などについて解説していきます。
トラッキングの基礎知識
トラッキングは、Web上でサイトやアプリを訪問した、ユーザーの行動の追跡・分析を指します。ユーザーの行動履歴や入力したデータの記録が残るのは、「Cookie」によるものです。
種類
Cookieは大きく分けると下記の2種類があります。
ファーストパーティCookie | ユーザーが訪問したWebサイトのドメインから、発行されているCookie |
サードパーティCookie | ユーザーが訪問したWebサイト以外のドメインから、発行されるCookie Webサイト内に挿入されている、Web広告など。 |
仕組み
Cookieの仕組みは、ユーザーが訪問したWebサイトやアプリで入力したデータや行動履歴を記録するものです。例えば、再度利用するWebサイトやITツールに、自動的にログイン情報が入力されているなどです。Cookieによってログインに必要なパスワードやIDが自動入力されます。
トラッキングとCookieの関係性
トラッキングにおけるCookieは、Web上やアプリのユーザーの行動を追跡・分析するために欠かせない技術です。Cookieを利用することで、ユーザーがWebサイト内をどのように巡回しているのか、何のページをクリックしたのかなど、行動履歴やログイン情報などを収集しアクセス解析に役立ちます。
トラッキングの具体的なセキュリティリスク
トラッキングによるユーザーの情報収集は、適切に管理されないと悪意のある第三者やサイバー攻撃で悪用されるため注意が必要です。セッションIDやCookie情報が悪用されると、個人情報の漏えいや不正アクセスなど、深刻なセキュリティリスクを引き起こす可能性があります。
次の項目では、トラッキングの具体的なセキュリティリスクをお伝えしていきます。
セッションIDの推測
セッションIDは、ユーザーがWebサイトやアプリケーションにアクセスした際に割り当てられるものです。アクセス解析時にユーザーの識別や、アクセス管理に使用される重要なデータとなります。
単純なアルゴリズムで生成された連続番号や、規則性のある文字列を使用している場合、悪意のある第三者に推測されやすくなります。ブルートフォース攻撃によって、容易に特定される危険性もあるでしょう。セッションIDを推測されると、IDを利用して正規ユーザーになりすまし、悪用されて個人情報や機密データの流出に繋がる恐れがあります。
セッションIDの窃取
セッションIDの窃取は、悪意のある第三者がユーザーのセッションIDを盗み取り、不正利用する手法です。公共Wi-Fiなど暗号化されていないネットワーク環境では、リスクが一層高まります。セッションIDは、CookieやURLパラメータとして送信されるケースが多いです。一度窃取されたセッションIDは、複数回利用されたり、不特定多数に共有されたりして、被害が拡大する恐れがあります。
セッションフィクセーション
悪意のある第三者が生成したセッションIDを意図的に使用させて、IDを悪用して不正アクセスを行う攻撃があります。セッションフィクセーションという手法です。ユーザーがログインする前にセッションIDを固定します。
その後、ユーザーがそのセッションIDを使用して、ログインするように誘導するというものです。セッションフィクセーションは、ユーザー側では異常に気づきづらいという特徴があります。ユーザー自身がログインしている間も、気づかないうちにアカウント情報や操作権限が奪われてしまうため、大きな被害を引き起こす恐れがあります。
トラッキングによるリスクを防ぐための対策方法
トラッキングによるリスクから身を守るためには、多層的かつ継続的なセキュリティ対策と、注意深い管理が必要です。
次の項目では、トラッキングによるリスクを防ぐための対策方法を解説していきます。
ブラウザのプライバシー設定を行う
ブラウザには多くの場合、トラッキング防止機能や、プライバシー保護機能が搭載されています。
例えば、「Google Chrome」では「プライバシーとセキュリティ設定」から、下記の対策が行えます。
- サードパーティCookieのブロック
- Do Not Track
上記の設定を有効化することで、広告ネットワークなど第三者による追跡行為を制限できます。さらに、安全性向上のためには、暗号化によるHTTPS通信のみ許可する設定や、不審なサイトへのアクセス警告機能も活用すると良いでしょう。
プライベートブラウジングモードを使用することで、ブラウザの履歴やCookie情報が保存されないように設定も可能です。ブラウザの拡張機能を利用して、広告やトラッキングスクリプトのブロックも効果的です。
OSのプライバシー設定を行う
PCやスマホなどのデバイスのOSにも、プライバシー保護機能があります。OSの設定で、アプリケーションやサービスがアクセスできる情報を制限することで、不要なトラッキングを防止します。
例えば、iOSではアプリごとの位置情報のアクセス権限や、トラッキング許可設定を細かく指定できます。Androidでもアプリ権限管理機能を利用して、不要なデータ共有を制限可能です。
それぞれ個別に許可または拒否することで、データ利用状況を細かくコントロールできます。新しいOSのアップデートには、新たなプライバシー保護機能が含まれることも多いため、常に最新バージョンへアップデートしておくことも重要です。
セキュリティ対策ソフトを導入する
悪意のある第三者からの不正なトラッキングや、サイバー攻撃から端末を保護するために、セキュリティ対策ソフトの導入も重要です。多くのセキュリティ対策ソフトには、不正トラッキング防止機能や、危険なWebサイトへのアクセス制限機能があります。
無料版と有料版がありますが、有名ブランドや信頼性の高い製品から選ぶことがおすすめです。導入後も定期的なアップデートとスキャンを実施して、新たなセキュリティ脅威の被害を未然に防ぎ、安全意識を高めておくようにしましょう。
まとめ
トラッキングによるリスク防止のためには、複数のセキュリティ対策の、組み合わせが大切です。複数のセキュリティ対策を、組み合わせて実施することで、より高い安全性とプライバシー保護効果が期待できます。
トラッキングによるセキュリティリスクを理解して、上記でお伝えした、複数の対策を組み合わせて実施しましょう。また、日頃から怪しいリンクへのアクセスや、不審なメールへの対応には注意することで、トラッキングによるセキュリティリスクの大幅な軽減に繋がります。
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