2024.12.17
業務用Wi-Fiと来客者用Wi-Fiを分けるべき?オフィスWi-Fi導入のポイントを解説
オフィスにWi-Fiを導入すると、電波の許容範囲内であれば、様々な種類のデバイスを使って、場所を限定せずに接続できるようになります。ケーブル配線が不要になることで、オフィス内のレイアウト変更が柔軟に行える点も大きな利点です。
業務効率化を目指す企業には、家庭用ではなく、ビジネス向けに設計された法人専用のWi-Fi環境が適しています。本記事では、オフィス向けWi-Fiの適切な選び方や導入方法、構築のポイントについて詳しく解説します。
業務用Wi-Fiと来客者用Wi-Fiを分けるべき理由
家庭用Wi-Fiは、業務用に比べて利便性やセキュリティ面で劣るため、企業の利用には不向きです。そのため、オフィスで使用するWi-Fiは法人用Wi-Fiを使用しましょう。
その中でも、オフィスや店舗では、自社社員と来客者でWi-Fiを使い分けることが重要です。
- 業務用のクローズドなWi-Fi
- 来客者向けのオープンなWi-Fi
業務用のネットワークは、企業の機密情報や従業員の個人データが流れる重要な環境です。来客者向けのWi-Fiと同じネットワークを使用すると、外部からの不正アクセスやウイルス感染のリスクが高まります。来客者向けのWi-Fiは通常、企業の内部システムにアクセスできないように制限されるべきです。
また、来客者が多くのデバイスを接続する場合、ネットワークの速度や帯域幅に影響を与える可能性があります。業務用Wi-Fiと分けておけば、企業の重要な業務に支障をきたすことなく、来客者の接続を管理できます。
さらに、来客者向けのWi-Fiを無料で提供することは、企業が顧客に対してホスピタリティを示す手段として有効ですが、業務用Wi-Fiと分けることで、企業のセキュリティへの配慮を示し、顧客に安心感を与えることができます。
これらの理由から、業務用のネットワークと来客者用のネットワークを分けて運用することが推奨されます。
オフィスWi-Fiの導入方法
オフィスにWi-Fiを導入して、最大限に活用するためには、いくつかの大切なポイントがあります。
次の項目では、オフィスで利用するWi-Fiの導入方法を解説していきます。
インターネットの接続方法の選定
まずはインターネットの接続方法を選びます。選択肢としては、下記の種類が挙げられます。
- ホームルーター:設置が簡単で、小規模オフィスや一時的な利用に向いている
- 光回線:通信速度や安定性が高く、大規模オフィスや多くの端末が接続される環境に最適
- モバイルWi-Fi:工事不要で持ち運びが可能で、一時的な利用や工事不可の環境に便利
光回線は高速で安定した接続が可能ですが、設置に時間がかかることがあります。ホームルーターやモバイルルーターは設置が簡単です。すぐに利用開始できますが、建物の構造や電波状況に通信の速度や安定性が左右されやすいです。オフィスの規模や利用目的、予算などを考慮しながら、自社に最適なネット回線を選びましょう。
WiFiルーターを選ぶ
インターネット回線を決めたら、対応したWi-Fiルーターを選びます。ルーターの選定では、通信速度や接続可能台数、セキュリティ機能の有無などが重要なポイントです。業務に使用するのであれば、家庭用ではなく法人向けのモデルの導入が求められます。
大量のデータ通信が発生するオフィス環境では、高速通信が可能で複数のデバイスを同時に接続できる、WiFiルーターを選ぶことが重要だからです。Wi-Fi 6やWi-Fi 7対応のルーターを導入すれば、高速通信と安定性がさらに向上します。VPNと組み合わせれば、安全なリモートアクセスも可能になります。
使用するフロアに合わせて構築する
オフィス全体で快適なWi-Fi環境の実現を目指すには、使用するフロアや部屋ごとの構造に合わせて、ネットワークを構築する必要があります。広いフロアや複数階にわたる場合には、電波が届きにくいエリアを特定し、中継機や追加のアクセスポイントの設置を行いカバー範囲を広げるようにしましょう。
アクセスポイントは天井や壁に設置することで、広範囲に電波を届けられます。広範囲をカバーする必要がある場合には、メッシュWi-Fiシステムの導入も効果的です。複数のアクセスポイントを連携させて、広いエリアを均一にカバーできるため、広いオフィスや複数階にわたる建物でも快適な通信環境が期待できます。
セキュリティ対策をする
悪意のある第三者からの攻撃や、サイバー攻撃によって、不正アクセスや情報漏えいのリスクがあるため、セキュリティ対策が欠かせません。例えば、安全性の高い暗号化方式のWPA2、WPA3を採用、ルーターの初期パスワードの変更、強力なパスワード設定などです。
定期的にセキュリティ設定を見直して、最新のセキュリティパッチを適用することも忘れずに行いましょう。業務で使用しているデバイスが受信した、不審なリンクやメールをクリックしないように、定期的な社員教育、研修も重要です。
どこでも使えるか最終チェック
無線LANの大きな魅力は、電波の届く範囲内であれば、場所を限定せずに使用できる点です。Wi-Fi環境構築後には、オフィス内全体で電波状況が安定しているかどうか確認します。
電波が弱いエリアがあれば、中継器やアクセスポイントを設置するなどの対策を行いましょう。従業員にヒアリングして、実際の使用感も確認しながら調整すると、より実用的な環境になります。Wi-Fiの電波状況の入念な最終チェックをすることで、どこでも快適に利用できる環境が整います。
オフィスのWi-Fi環境構築は専門業者へ
Wi-Fi環境の導入や構築は専門知識が求められるため、自社で行うよりも業者に依頼する方が、手間と試行錯誤の時間が省けて効率的です。オフィスレイアウトや利用人数に応じた、最適なネットワーク設計が可能になります。
業者によっては導入後のトラブル対応や、セキュリティ管理を提供しているところもあります。一括して任せられると、自社で行う手間を省きつつ効率的な環境構築が実現し、長期的な運用も安心です。専門業者はオフィスのレイアウトや、利用目的に応じた最適なプランを提案してくれます。
例えば、大規模オフィスや複数拠点で統一したWi-Fi環境を整えたい場合、ネットワーク構成が複雑化しがちです。自社で構築すると大幅な手間と時間がかかり、トラブル発生時には対応に苦労する可能性もあるでしょう。専門業者であれば、ヒアリングから設計・施工・保守までワンストップで対応し適切なプランを提案してくれます。
小規模オフィス向けには、コストパフォーマンス重視のプランを提案されることがあります。初めてWi-Fi環境構築を行う場合には、専門家によるサポートは心強い存在ですので、一度相談してみる価値は十分あるでしょう。
まとめ
オフィスでWi-Fi環境を導入する際には、法人向けの業務用Wi-Fiが最適です。家庭用のWi-Fiは利便性やセキュリティ面で企業のニーズに応えるには不十分なため、業務用Wi-Fiを選ぶことが重要です。業務用Wi-Fiは、多数の端末接続を想定して設計されており、オンライン会議やデータのやり取りを行う際に必要な安定性と高速通信を提供します。
最も重要なのは、自社の情報資産を守ることです。業務用Wi-Fiには強固なセキュリティ対策が施されており、機密情報の漏洩リスクを最小限に抑えることができます。このため、情報漏洩を防ぐためのセキュリティ確保は必須です。
さらに、ゲスト用Wi-Fiを設置することも、来客者の利便性を向上させ、顧客体験を高めるための有効な手段です。来客者向けのネットワークは業務用Wi-Fiとは分けて設定し、セキュリティ面を確保することが推奨されます。企業としてのホスピタリティを示すとともに、企業イメージを向上させることにも繋がります。
業務用Wi-Fiとゲスト用Wi-Fiをうまく使い分けることで、セキュリティを確保しながら、オフィス内のネットワーク環境を最適化できます。
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