2024.03.17
ゼロトラストとは?IT業務への影響やセキュリティ対策の具体例を解説
デジタル化を進めて業務効率や生産性の向上に成功している企業も少なくありません。一方で、悪意のある第三者やコンピュータウイルスなどによる、サイバー攻撃の手口は年々巧妙化しています。インターネットを活用するビジネスを行ううえで、様々なセキュリティリスクの懸念があります。
自社の重要なデータや顧客の個人情報を守るためにも、強固なセキュリティ対策を確保しなければいけません。社会的信用や企業価値を低下させないように、企業は高いセキュリティレベルの実現を目指した方が良いでしょう。強固なセキュリティ対策の1つである、ゼロトラストの重要性が高まっています。
この記事では、ゼロトラストの基礎基本やIT業務への影響と、セキュリティ対策の具体例などについて解説していきます。
ゼロトラストとは
ゼロトラストはあらゆるセキュリティリスクの懸念に対して、強固なセキュリティを確保する対策です。「Verify and NeverTrust」という考え方に基づいて、社内外のネットワークシステムの全ての通信において「何も信頼しない」を前提にアクセス検証、認証・認可を行うものです。つまり、従来の境界型セキュリティである、社外ネットワークは安全で社内は危険性があるという区別をしません。
- アプリケーション保護(CSPM/SSPM)
- ネットワークセキュリティ(SSE/SASE)
- アカウント管理(IAM/IGA)
ゼロトラストのセキュリティ対策の実現に向けて、例えば上記のような複数のソリューションを組み合わせて連携させる必要があります。ゼロトラストセキュリティの効果を最大限に発揮するためには、自社の目的や課題に合ったソリューションを選定するようにしましょう。
ゼロトラストが及ぼすIT業務への影響
大規模な情報漏えいが発生すると、社会的信用や企業価値の低下を招きます。大きなダメージを受けて、企業の存続が危ぶまれるほどの事態に追い込まれるかもしれません。ゼロトラストセキュリティによって、自社の大切なデータや顧客の個人情報の漏えいリスクが減り、従業員が安全にIT業務を行うことができます。具体的には、IT業務でどのような影響を与えることができるのか疑問に思うでしょう。
ここでは、ゼロトラストが及ぼすIT業務への影響を解説していきます。
- 厳重な情報管理の実現
- 働き方の多様化
- 情報セキュリティの一元管理
1.厳重な情報管理の実現
ゼロトラストセキュリティは、今までの境界型セキュリティのように社内ネットワークは安全で、社外は危険性があるという区別をしないため強固なセキュリティを確保できます。具体的には下記のような要件があります。
- ID・パスワードの管理の厳格化
- アクセス・行動履歴の見える化
- アクセスの常時監視による不正アクセス・ハッキング行為等の防止
ゼロトラストの実現によって、厳重な情報管理が可能になり情報漏えいを防ぎます。
2.働き方の多様化
ゼロトラストセキュリティの実現により、テレワークやリモートワークなど、色々な場所からのアクセスに対応できます。従業員がビジネスをする場所や時間に限定されない柔軟な働き方を、高い安全性を確保しながら行えます。働き方の多様化によって、従業員満足度や生産性、業務効率が高まることが期待できるでしょう。
3.情報セキュリティの一元管理
ゼロトラストセキュリティを実現したIT業務では、色々な情報セキュリティの設定をクラウド上で可能です。そのため、あらゆるセキュリティリスクに対して、各種セキュリティ機器を設置する必要がなくなります。
従来の情報セキュリティは、複数のセキュリティ機器を設置する必要がありました。実施するセキュリティ対策の機器の数が多くなるほど、管理の手間が増えてしまいます。ゼロトラストを導入すると、様々な情報セキュリティの設定をクラウド上で一元管理できるため、運用や管理の効率化が期待できます。
ゼロトラストセキュリティ対策の具体例
ここまでで、ゼロトラストの基礎基本やIT業務への影響などについてお伝えしてきました。ゼロトラストを企業が導入する場合、どのようなことに対してセキュリティ対策が行えるのか、疑問に思うのではないでしょうか。
ここでは、ゼロトラストのセキュリティ対策の具体例を解説していきます。
- クラウドサービス導入時のセキュリティ対策
- リモートワークのセキュリティ対策
- 社内ネットワークのセキュリティ対策
1.クラウドサービス導入時のセキュリティ対策
自社でクラウドサービスを導入するとインターネットを利用して、企業の重要なデータや顧客の個人情報が外部に保存されます。社内システムだけではなく、社外ネットワークも活用することで、よりサイバー攻撃の被害に遭うリスクが高くなるでしょう。
クラウドサービスは多くの企業や個人と契約するため、利用者が勝手にセキュリティレベルを高めることができません。ゼロトラストセキュリティを導入すれば、細かくアクセス制御や厳重な情報管理が行えるため、あらゆるセキュリティリスクの懸念を払拭できます。
2.リモートワークのセキュリティ対策
リモートワークやテレワークを導入している企業は、社外でビジネスに取り組む従業員の行動を把握しにくくなります。従業員によっては、社用PCを外部で使用したり、自社が認めていないクラウドサービスを利用したりする場合もあるでしょう。
社用PCの紛失・盗難や、悪意のある従業員や第三者による情報漏えいなどの危険性があります。リモートワークやテレワークでは、従業員の監視が難しくなるためゼロトラストを導入してセキュリティを強化する必要が出てきます。
3.社内ネットワークのセキュリティ対策
企業の機密情報や顧客の個人情報の漏えいリスクは、外部からのサイバー攻撃だけではなく従業員による内部不正もあります。自社の従業員を信頼していても、内部不正に対するリスクマネジメントは大切です。感情がある人間ですから嫌なことがあって魔が差したり、利己主義者だったりすると外部に社内の情報が流れるかもしれません。
ヒューマンエラーや、離職者による情報漏えいが起こる可能性もあるでしょう。そのため、社内ネットワークのセキュリティ対策は重要です。ゼロトラストを導入することで、従業員のアクセス監視や使用するデバイスに利用制限をかけたり、セキュリティを強化したりできるため内部不正対策に効果的です。
まとめ
あらゆるセキュリティリスクを、最小限に抑えるための仕組みがゼロトラストセキュリティです。企業がゼロトラストを導入する場合、下記のようなことに対して効果的なセキュリティ対策が行えます。
- クラウドサービス
- リモートワーク
- 社内ネットワーク
デジタル化やDX化に対応する企業は、IT業務におけるセキュリティレベルを高めて、重要なデータや個人情報の安全性を確保していきましょう。
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