2025.01.12
エンドポイントセキュリティとは?種類や導入ポイントをわかりやすく解説
エンドポイントセキュリティは、企業の情報資産を守るために欠かせない対策です。ネットワークに接続されるデバイスを保護することであり、PCやスマホ、タブレットなどを指します。デバイスは外部からの攻撃や、内部からの不正アクセスの対象となるため、情報資産を守るために適切なセキュリティ対策が必要です。
この記事では、エンドポイントセキュリティの基礎知識や、導入ポイントをわかりやすく解説していきます。
エンドポイントセキュリティとは?
企業におけるエンドポイントセキュリティは、業務に使用するPCやスマホなどのデバイスや、サーバーなどをセキュリティ脅威から保護するための対策のことです。
従来はネットワークの入口を防御する、境界型のセキュリティが主流でした。最近では、業務のデジタル化が進み、テレワークやリモートワークの普及に伴い、ネットワーク全体での防御体制が求められており、エンドポイントセキュリティの必要性が高まっています。
ゼロトラストモデルとの関係性
ゼロトラストモデルは、社外のインターネットは危険で社内ネットワークは信頼できるという区別をしません。境界型セキュリティの限界を補うために、全てのアクセスを「何も信頼しない(ゼロトラスト)」前提で検証・認証・認可を行います。ゼロトラスト型セキュリティと連携させることで、エンドポイントセキュリティの強化に繋がります。
エンドポイントセキュリティの種類
エンドポイント自体の保護が、企業の情報資産を守るうえで欠かせません。エンドポイントセキュリティの種類は、複数あるため自社に最適な対策が、強固なセキュリティを確保するために大切です。
次の項目では、エンドポイントセキュリティの種類をお伝えしていきます。
EPP
EPPはエンドポイントに侵入する前の脅威を防ぐためのセキュリティプラットフォームです。従来型のアンチウイルスソフトもEPPに含まれますが、近年では振る舞い検知や機械学習を取り入れた、高度な製品が主流となっています。EPP単独では全ての脅威を完全に防ぐことは難しいため、他のセキュリティツールとの併用が一般的です。EPPの導入により企業は一元的な管理が可能となり、セキュリティの強化が図れます。
EDR
EDRはエンドポイントに侵入した脅威を、リアルタイムで監視及び分析を行うという特徴があります。EPPが侵入前の防御を目的とするのに対して、EDRは侵入後の検知と対処を重視しています。
例えば、端末からリアルタイムでエンドポイントからログを収集、分析して被害拡大の防止などです。不審な挙動が検出された場合には、管理者に通知するとともに、感染経路や影響範囲を特定します。EDRとEPPの両方を組み合わせて使用することで、強固なセキュリティ体制が構築できます。
NGAV
NGAVは従来のウイルス対策ソフトウェアを進化させた、次世代型で未知の脅威やゼロデイ攻撃にも対応可能です。企業のセキュリティ体制を強化し、情報資産を守るための重要なツールです。AIや機械学習技術を活用しており、サイバー攻撃への防御力が大幅に向上しています。NGAVは多くの場合、クラウドベースで運用されています。
DLP
DLPは企業の情報資産が、外部に漏洩するのを防止するためのツールです。企業や組織内で扱われる機密情報や、重要なデータを保護します。例えば、リアルタイムで異常な動作を検知する機能があり、不正行為が発生した場合には即座に管理者へ通知されます。DLPはデータそのものに焦点を当てて保護するため、外部からの攻撃だけではなく、内部不正による情報漏えいも対応可能です。
エンドポイントセキュリティの導入ポイント
ここまでで、エンドポイントセキュリティの基礎知識や、ゼロトラストモデルとの関係性をお伝えしてきました。企業が導入する際は、下記の重要なポイントを押さえておくと、スムーズかつ効果的な運用に繋がります。
次の項目では、エンドポイントセキュリティの導入ポイントをお伝えしていきます。
企業のニーズに応じた製品選定
エンドポイントセキュリティを導入する際には、自社の業務形態やセキュリティニーズの明確化が重要です。例えば、リモートワークが普及している企業であれば、クラウド対応型のEDRや、DLP機能を備えた製品が適しています。製品選定時にはベンダーのサポート体制の有無や、コストパフォーマンスなども考慮して、自社に最適なものを選ぶことも大切です。
セキュリティポリシー策定と従業員教育
エンドポイントセキュリティの効果的な運用のためには、技術的な対策だけではなく、人材面での取り組みも重要です。具体的には、エンドポイント利用に関するセキュリティポリシーを策定し、全従業員に周知徹底させる必要があります。
従業員教育も欠かせません。例えば、セキュリティリスクへの対策や、安全なパスワードの管理方法などの教育・研修を行います。従業員一人ひとりのセキュリティ意識、ITリテラシーの向上に努め、人為的ミスの防止が大切です。
段階的な導入とテスト
エンドポイントセキュリティの導入は、一度に全てを行うのではなく、段階的な導入とテストが大切です。ステップバイステップによるアプローチは、不具合や設定ミスによる業務への影響を最小限に抑えたり、現場からのフィードバックを参考にして、設定や運用方法の最適化に繋がります。導入後にはテストを実施して、セキュリティ対策が適切に機能しているかを確認することが重要です。
継続的な運用とメンテナンス
エンドポイントセキュリティは一度導入して終わりではなく、継続的な運用とメンテナンスが必要です。従業員教育も継続して行い、新しい攻撃手法への対応力を養うことが大切です。新たな攻撃手法にも対応できるようにPDCAサイクルを回し、常に最新のセキュリティ対策の実施が求められます。
まとめ
エンドポイントセキュリティは、企業の情報資産を守るために欠かせない対策です。上記でお伝えした、エンドポイントセキュリティは、それぞれ異なる役割と強みがあります。企業は複数のエンドポイントセキュリティを、適切に組み合わせて使用して、多層的かつ包括的なセキュリティ体制の構築が重要です。
ゼロトラスト型セキュリティと連携することで、より強固で柔軟な防御体制を構築できます。導入ポイントを踏まえて、自社の業務環境やセキュリティ面の課題に合った種類を導入し、安全かつ効率的な運用を目指しましょう。
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